ポッドキャスト「PRIDE CODE」トーク紹介
LGBTQ+の多様な声を届ける「PRIDE CODE」
第3回の放送「プライドパレード30年 あの夏、新宿から始まった 尊い一歩、地方へ広がる」にて。
ゲストスピーカー花房吾早子さんが、トークの中で去年のレインボーパレードについても語られていました。
このnoteやSNSで取り上げさせていただくことについて快諾頂きましたので、トーク内容を抜粋してご紹介させていただきます。
(花房さま、ポッドキャスト部署の皆さま、ありがとうございます)
花房さんの他に、ゲストスピーカーVENさん。MCに杢田光さんを交えて
LGBTにまつわる歴史的背景や各地のパレード情報が詳細に語られています。
広島最大のお祭りの中にあるプライドパレード
心に残っているのは「広島での初めてのパレード」。
広島のテレビ局へ2年間研修派遣しLGBTQの取材をしていた。
新聞社に戻られてからの2023年6月中旬に、初めて広島で行われた。
広島では、単独でプライドパレードを開くというのではなく
広島市民では多くの人が知っているフラワーフェスティバルがあり
そこでは高校生のブラスバンドや色んな団体が歩く。
その一団の1つとして、歩く。というかたちをとった。
それも実は大きなことで、(コースとなる)平和大通りというのは
広島市の平和公園近く、広島市にとって象徴的なストリート。
そこで、紫色(これもLGBTQのコミュニティを象徴するような色)のTシャツをみんなで着て、レインボーフラッグを持てる人は持って、歩いていく。
アナウンスメントで「自分たちは多様性を大切にしたいんだ」「多様な社会を目指してるんだ」というようなメッセージを司会者が放送席からアナウンスする。
そこに託されたメッセージをアナウンスしながら歩いていく―。
パレードの新しい時代を感じた
研修派遣中の2年間ずっと取材をしていた10代のトランスジェンダーの方が初めて歩くということになった。
「なんか楽しそう」という気持ちで歩いて
そこで初めて会った人とお友だちになったりして
すごくいい時間を過ごしていた様子をみて、
ああ、もしかしたら新しい世代というか
プライドパレードに対する捉え方であったり―。
一方でそれは多くの人たちの反応が良くなってきたことの裏返し。
今の社会が受け入れている様子を見てきているから
だから安心して歩けたのかなと見てて思ったし、
すごく良い時間を拝見した。
地方都市のパレードを訪れると胸が熱くなる
どれだけパレードを実現させることが大変か―。
私も主催者になったことがないので想像でしかないけれど
そもそも顔を出して歩くということ。声をあげるということへのハードルがまだまだあるという中で
さらに警察等への許可だったり、もしくはスポンサー集めだったり。
そういうことって、みなさん当然本業がありながら、お仕事をしながら
時間”外”の時間を使ってみなさんやっていく。
さらに、大都市ではなくパレードが開かれたことがない、見たこともない方たちが地域社会にほとんどの中で
まず、パレードってこういうものなんですよというところから説明して実現させていくっていうのは大変な苦労だろうと思います―。
当日、もちろんそんな疲れを見せずに
楽しく華やかに元気いっぱいで歩かれたり、イベントのMCされたりしてるんですけれども
疲れが見え隠れする時に、それに至るまでの苦労に思いを馳せるというか、そういう気持ちになります。
取材者として勇気がいる・辿り着いた経緯に思いを馳せる
いろんなプライドパレードを取材して
主催者の人に色んな確認をするために取材をすることが多いけれど
一方で、行進している人、歩いている人に声をかけるというのは
取材者として大変勇気のいること。
どういう想いで、どういう経緯でもってここに辿り着いているのか、というのが初めて見かける人だと分からないから
せっかく、やっとの思いでここに来たのに
邪魔されたくないというか、
公道に出るということだけでもプレッシャーを抱えているかもしれないのに
新聞に出る、今だったらデジタル版に出て色々なSNSで共有されるっていうことまで負えきれるかどうか、ということを考えると
こちらとしてもすごく身構える部分がある。
参加するというだけでも何かを変えていく1人になる
でも、一方でVENさんの各地での活動をみていて
ついには「ひと」欄で全国版に登場していただいて。
人によってカミングアウトするかしないか、何をどう訴えるのかは自由であるという前提の上でもなお、
なお本当にこの社会を変えていくには
やっぱり、顔を出して、自分の言葉で訴えていくということが
どうしても必要になってくる。
なので、私自身は記事を通してですけれども、
このパレードを活用してほしい、というふうに思う。
登場する。数字だけになるかもしれないけれど。
1人よりも2人だし、10人よりも100人だし、
100人よりも1000人がこの日に開催されたここに集まったんだ、という数字はすごい力を持っていると思う。
参加するというだけでも何かを変えていく1人になれると思うし
顔を出して自分の言葉で訴えながら歩くというのは
もちろん力になっていくと思う。
恐れずにと言うのは簡単なんだけれども
ぜひ何か変えたい、何か訴えたいんだと思っている心が少しでもあるなら
まさにクローゼットから出る、閉じこもっているところから出てくる、
そのきっかけに(パレードが)なったらいいなと思う。
歩けない人の分も自分が歩くというスタンス(VENさん)
私がよく、遠い土地でパレードがあった場合そちらに行ったりとかすることがあるんですけど
その時に思ったのが、
ほんとはこの土地に住んでいて、ほんとはパレード歩きたいんだけれども
人の目が気になって歩けないという人もいると思うので
歩きたいっていう人がいるんであれば、その人の分も自分が歩くというスタンスを最近は持っている。
なかなか地方都市、小さな都市でパレードが始まって
その小さな都市だと噂が賑わったりとかを、すごい恐れてる人もいる。
でも歩きたい、という人がいるのであれば
その人の分も自分が歩くというスタンスで歩いている―。
▽花房吾早子(はなふさ・あさこ)さん
1984年千葉県生まれ。2008年朝日新聞社入社。現在は平和・人権担当として戦争体験者、性的少数者、障がい者、女性といった分野に明るい。サンフランシスコや関西、広島や山口のLGBT+に関わる動きを取材された。
*2017~19年サンフランシスコに留学中、18年、19年6月のサンフランシスコパレードに参加。サンフランシスコLGBTセンターのNPOボランティアメンバーとして初めて取材者ではなく参加者として参加したことについてもポッドキャスト内で語られている。
▽VENさん
同じくゲストスピーカーとして対談されています。30年間で150回以上のプライドパレードに参加。朝日新聞「ひと」で紹介されております。
「PRIDE CODE」とは
LGBTQ+の多様な声を届ける番組。
すべての人が、誇り「プライド」を持てる社会にするため、慣習「コード」を変えようという意味で名付けられた。
音楽やスポーツ、哲学などさまざまな分野で活躍する方々と対話しながら
世界を変えるヒントを探る。
【Spotify】
https://open.spotify.com/episode/0htJlJl65RezfrLGfltsny?si=8034199cbd274dd9
【Apple Podcast】
https://apple.co/3W2wrS1
【特設サイト「PRIDE CODE」】
https://www.asahi.com/ads/pridecode/
【連載「ひと」】
https://www.asahi.com/articles/DA3S15667206.html?iref=pc_ss_date_article
【ひろしまフラワーフェスティバル・広島と世界を結ぶ平和の祭典】