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痩せます宣言。

今まで55年間以上生きてきたけれど、人生で初めて本格的に痩せようと思っている。
こういう決意は自分の内だけに秘めるとか家族だけに伝えるとかだとなんとなく途中で折れてしまう気もするし、成功したときに「よく頑張ったね!」って言ってもらえる人が多いほうがやりがいも出てくる感じもするので、ここで宣言しておきたいと思う。

といいながら、まずは言い訳から。

昨年の11月に9年間生活をしていたマレーシアから日本に帰国した。長過ぎる赴任期間ではあったけれど、英語でのコミュニケーションもなんとか出来るようになったし、現地の友達もたくさん出来たし、今でもチャンスがあればまたマレーシアに戻りたいと思っているぐらいなんだけど、もうひとつこの9年間で手に入れたものがある。

それはお腹周りの脂肪である。

マレーシアにはいわゆるイスラム系のマレー系マレー人の他に、中華系とインド系がいて、いずれの人種の人達も朝ご飯をすごく大事にする。

マレー語でも朝の挨拶として「Sudah makan?(ご飯食べた?)」という言葉が使われるし、僕が住んでいたイポーという街では広東語がよく使われていて、彼らの挨拶でも「食咗飯未呀?(ご飯食べた?)」というフレーズがよく使われる。

街には中華系のワンタン麺やカレー麺、インド系のロティやチャパティ、マレー系のナシルマなどの朝ご飯を提供する屋台がそこかしこにあって、とても美味しいし、安価で食べられる。ワンタン麺なんかは6RM(200円)ぐらいだし、ロティとかナシルマなんかは安いと2RM(70円)ぐらいから食べられた。

マレーシアでは工場に勤めていて、朝はきっちり8時から始まるので、朝ご飯を食べないとお昼までお腹が持たない。毎朝のアジアご飯は楽しみのひとつであった。

お昼ご飯はほとんどチャーハンや麺類などの中華料理だし、それだって300円程度でお腹いっぱい食べることができた。

車通勤だったので、夜は基本的には自宅で食べることが多かったけれど、飲みに行く機会も週に2回ぐらいはあって、中華系やインド系の友人とウィスキーを浴びるように飲んでいた。(イスラムは酒を飲まない。公衆の場では。)

ゴルフ場の中にあるコンドミニアムに住んでいたので、日曜日は毎週灼熱ゴルフを楽しんでいて、プレイ終了後のビールが美味しすぎて、これも浴びるように飲んでいた。

こんな生活を9年間丁寧に続けていた結果、帰国する頃には僕のお腹周りは現地人にも注意されるほど大きくなってしまった。
帰国する2ヶ月前ぐらいから始まったお別れ会ラッシュも、この体重の増加に貢献してくれたと思う。

そんなこんなで帰国して、早速血液検査をしてみたら、まあやばい感じになっていた。マレーシアでも医者から言われていて適当に逃げていたんだけれど、やはり少し血圧が高くて、薬を飲まないとダメだと言われた。同時に体重を落とすように医者から言われたので、自分なりに食生活を制限してウォーキングなどの運動を始めた。
少しずつ体重が落ち始めると同時に、だんだん日本の生活に慣れてきて、10年ぶりに会うような日本の大事な友人たちとのお帰りなさい会みたいなものもたくさん開催してもらった。また、9年間ほとんど食べられなかった日本の美味しいラーメンやらとんかつやら焼き肉やらの魅力的なハイカロリーメニューと対峙することになって、9年分の借りを返すかのように、欲望の赴くままに日本食を堪能してしまった。
SNSへの投稿のほとんどは、ここのラーメンがすごく美味しかった!みたいなものになり、若干落ちた体重は瞬く間にもとに戻ってしまった。

そんな生活を続けていて、最近血液検査を再度やってみたら、以前よりもやばい感じになっていた。かかりつけ医に「ちょっと僕では手に負えないので、紹介状を書くから大きな病院で検査してみてください」と言われるレベルだ。

大きな病院に到着するなり、看護師さんの指示に従って血液検査や採尿、心電図、CT、レントゲンなど自分の不摂生が証明されるような検査を一通りやってから、医師の診断が行われた。

最悪のケース、そのまま即入院とか言われたら下着も持ってきてないし、今日から絶食2週間とか言われたら、10月の中旬から日本にやってくるマレーシアの友人との旅行が台無しになってしまう。ドキドキしながら診察室の椅子に座ると、恐らく僕より10歳ぐらい若く見える女医さんが、血液検査の数値を見せながらこう言った。

「うーん、いろいろ良くない数値はあるんだけど、これ全部薬出したら3種類とかになっちゃうんで、それは止めましょう。でもこれね、痩せれば全部正常に戻るから、とにかく痩せましょ!」

「歩くだけならただですからね。」とか「夏の暑さを理由にして運動をサボる人は寒さのせいにもするからね。」とか今まで僕と同じような人に吐いてきたであろう名言もたくさん聞くことが出来た。

まあ残りの人生を多量の薬でごまかしながら生きるのも嫌だし、とにかく入院しなくて良さそうだし、酒をやめろとも言われなかったし、この女医さんの言う事を素直に聞いて、とにかく痩せることにした。痩せるだけでいろんな数値が正常に戻るのなら、痩せる一択だ。I must do itだ。

明日、40分程度の栄養指導という授業的なものを病院で受けて、どういう食事がおすすめとかどういう運動が必要なのかなどを指導されるっぽいんだけど、この二日間ビビってお酒を控えめにして、夜寝る前に食事をするっていう生活を改めたらいきなり1.5キロ体重が落ちていた。

手応え、ありだ。

まだまだ全然大丈夫だと思って、好きなものを好きなだけ好きな時間に飲み食いして毎日二日酔いみたいな生活をしてきたが、改めなきゃいけない年齢にだんだんなってきたんだということだろう。

恐らく同じような環境の同胞はたくさんいるはずなので、これから少しずつ経過報告的なものを書くつもりだ。興味のある人は時間のあるときにでも読んでみてください。

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