ジョブ型はDX人材の夢を見るか?
ジョブ型雇用とは
人事雇用には大きく分けて、メンバーシップ型とジョブ型があります。メンバーシップ型は職務を限定せずに色々な仕事を経験させ、育成していく長期的雇用になります。日本で多い雇用形態です。
一方、ジョブ型とは職務を明確にし、そのために職務記述書に職務を明記します。これにより役割が明確になります。その職務が終わると雇用関係もなくなることがあります。このため、比較的短期の雇用になります。欧米に多い雇用形態です。
ジョブ型とはこのように職務記述書に職務を明記するところがポイントです。記述の詳細度は色々ありますが、あまりにも抽象的では意味がありませんので、1枚程度は書いた方がいいでしょう。逆に事細かに書くのも問題です。細かすぎるときっと職務記述書の書き直しが多く入るでしょう。
DXでジョブ型が必要な理由
DXではメンバーシップ型雇用よりもジョブ型雇用の方がマッチしています。DXはなぁなぁで実施できるものではありません。現場のカイゼンをベースにするものではありません。
DXには新しい発想と専門的な知識、推進力が必要になります。これにはメンバーシップ型雇用で育成されたジェネラリストよりも、ジョブ型雇用で採用されたスペシャリストがマッチしているでしょう。
しかしスペシャリストと言っても一つの分野だけでなく、IT系とビジネス系分野、さらに統治・管理の分野に精通した人物が望ましいでしょう。
ジョブ型雇用の利点
ジョブ型雇用はプロジェクトにあった人物を揃えるという点で優れています。この雇用形態ではDX推進をするのに適した人物を採用することができます。
一方、採用される側も入社後の配属ガチャ(どこに配属されるかは入社してみないとわからない)にも無縁で、自身のしたい業務に就くことができるというメリットがあります。
ジョブ型では職務記述書を書くので、業務の見える化になるというメリットもあります。これにより業務の改革、無駄を省いたり、より創造的な作業に当たらせることも可能になります。
ジョブ型雇用の欠点
ジョブ型では自身の職務記述書に従って作業をします。それだけです。つまり、他人の作業を手伝ったり、チーム一体となって作業するということがありません。これが職務記述書に書かれていなければ、こうなります。まさに個人守護です。でもこれには日本人的に違和感を覚えることでしょう。
このため、一時はジョブ型人事を採用した会社でも、メンバーシップ型人事に戻すこともあります。日本の会社ではジョブ型はまだ根付いているという傾向はみられません。
ジョブ型はDX人材の夢をみるか?
DX人材の定義は色々とありますが、IPAのデジタルスキル標準(DSS)によれば、5種類の人材像が定義されています。つまり、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの5種類です。DSSはまるで五芒星のような標準です。流行のサイバーセキュリティが特出しされているのは置いておいてください。
DSSを簡単にまとめると、ビジネス系と企画系、IT系が必要だということです。このような人材がジョブ型で集まるのでしょうか。ジョブ型はDX人材の夢をみるでしょうか、みられるでしょうか。その答えは各会社で検討してみてください。
ということで今日の結論。「ジョブ型の戦いはこれからだ」 以上です。
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