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【書評?】世界が赫に染まる日に

世界が赫に染まる日に 櫛木理宇著 光文社

はじめに

これはあくまで書評? であり、書評ではないかもしれない。読書感想文として読んでいただけるとありがたい。ここに書いてあることは、あくまで個人の感想であり、それ以上でもそれ以下でもない。

あらすじ

従兄妹の未来を奪った加害者に復讐を誓った中学3年の櫂。自分の左目は邪眼だと称する文稀は15歳の誕生日に自殺する計画を立てた。夜の公園で出会った二人は文稀が自殺するまでの間、櫂の復讐に協力する契約を結ぶ。
予行演習として、少年法に守られ罰せられない犯罪者たちを一人ずつ襲っていく彼らの制裁は次第にエスカレートしていく。

感想

従兄妹の復讐を誓った少年櫂と、自殺を計画している少年文稀。二人の出会いは何を産んだのか、読み終わった後もよくわからずにいる。

少年法に守られ、大した罰も受けずに世に放たれる犯罪者は驚くほどたくさんいる。まだ罰を受けるならマシなのかもしれない。いじめよるリンチや性的な暴力、裁かれない悪もたくさんあるのではないだろうか。

そう思うと、私刑を行いたい気持ちはわからないでもない。もし自分の子が被害者になったら、私は何もせずにいられるのだろうか。賠償金や、申し訳程度の罰を受けただけで、自分の子が一生涯にわたる障害をおったら、それを許すことなどきっと出来ないであろう。

私は少年法に守られる側の人間ではないから、復讐を行えばもちろん刑事罰を受ける。それがどんなに、民衆に同情の目を向けられようとも日本という国では私刑は認められていないからだ。

復讐って何なのだろう。

その問いに明確に答えられる人はどれくらいいるだろうか。少なくとも私は明確には答えられないし、だからこの作品に答えを見いだせない。復讐は何も生まず、けれど復讐をせずにはいられない人間とは何なのだろうか。

終わりに

難しい作品だったなと思う。答えが無く、自分で答えを見出すことも出来ず、再読必至。少々グロい描写もあるので、人は選ぶとは思うけれど、考えさせられる作品なので色んな人に読んでほしいと思う。

復讐とは、とずっと問いかけられている気分になる作品だった。

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