好きな気持ちが言えない、断りたくても言い出せない、そんなときに
よくあるシーンで
「あ~、なんかあの子気になるなぁ……」(好意)
「いま忙しいから後にしてほしいのに」(仕事)
「厚意はありがたいんだけど、ちょっと負担なんだよね」(人間関係)
こうした気持ちにさせられること、けっこうありません!?
・何か気になってしかたがないことがある。
・仕事が忙しくてもう一杯いっぱい……けど言い出せない。
・あの人のあの言い方、なんかグサっとくる……。
人と関わっていると、感じたことや思ったことを言い出せない場面ってけっこうありますよね。
言いたいことが言えないと、どうなる?
お付き合いで言うと、「言い寄られて付き合う」「嫌われたくないから断れず関係が続く――」「好きな人には何も言い出せないまま終わってしまう……」
仕事だと「みんな連日の業務で疲れている。ホントは休みたいのに言い出せない」「ノド元までことばが出かかっているのに『休ませてもらえますか』のひと言がどうしても出ない」
人間関係だと「言われたことに引っかかっていているのに傷ついたとはどうしても言えない」
そんなことないですか?
「いいや、そんなことないですよ。私は言いたいこと言ってる! 何ごともハッキリ言うタイプだから!」
そう豪語している人もちょっと待ってください。それって腹が立ったときにズバっと意見要望を言ったり、スジの通らないことに言わずにおれない竹を割ったような性格ってことじゃないでしょうか。
でもそれってですね。自分の感情にかまけて言いたいことを言っているだけかもしれませんよ。ですから自分の感情のアクセルを自在に調節していることにはならないのではないでしょうか。
言いたいことが言えているようで、よくよく自分を観察してみると、言わずにおれないから思わず吹き出たことであって、「言い過ぎた!」「しまった!」と思うこともあるのではないでしょうか。
上手に断る、気になることを伝えるということ
じつは、相手の機嫌を損なわずに上手に断る、気になっていることを伝えるというのは繊細な技術が必要なんです。これってふだん上手に話ができている人でも微妙なニュアンスを伝えるのは結構むずかしいもんなんですよ。
だって相手の状態を見極めつつ言わなければならないから。ヘタにストレートに言い過ぎてしまうと、時として人は怒り出し、かえって関係が悪くなったり、自分だけ目立って不利な立場に追いやられることにもなりますから。
最近でもよく言われますよね。強引な誘いを断れず、セクハラに遭った。過酷な業務を強いられ、うつを発症した。皆が同調する中で、ひとりだけNOと言うことはできなかった。ということが……
言いたいことがこれっぽっちも言えず、悶々とした過去
かくいう僕も相手が不機嫌になるんじゃないか、怒らせるんじゃないかと思って言葉をグっと飲み込み、ずっと言い出せない人でした。
だからストレスが溜まりに溜まって風邪を引く、体調を崩す、思わぬところで凡ミスをして怒られるということがしょっちゅうありました。
好きな人には「スキ」と言えず、言い寄られた女性には嫌われたくないから付き合ってしまう。相手の顔色ばかりうかがい、言いたいことのこれっぽっちも言えない。あるいは言っちゃいけないことを周りの空気も読まずにズボっと言ってひんしゅくを買ってしまう。。。
そんなことがしょっちゅうあったんです。
そこで少しずつ、少しずつ自分の言いたいことを小出しにしていき、相手との間合いをはかり、関係をよくしていく。
悪くなった関係でも、ユーモアを交えながら改善していく――そういうことが自然とできるように、あるときから練習していったんです。
そうしたらあぁら不思議! 思ったことを自在に(とまではさすがにいきませんが)、ある程度、かなりのレベルで自分の気持ちや意思を上手に伝えられるようになっていきました。
そこできょうは、最近読み返してみてけっこういいこと言っているなぁと改めて感心した本で書けなかったことを少し、お話ししていこうと思います。