侍タイムスリッパーなど 秋の鑑賞記録
※ネタ漏れするよ
旦那のヲタメと一緒に映画を見に行った。ヲタメと私では絶望的に映画の趣味が合わない。ヲタメはジブリが好きで、私はタランティーノが好きだ。一度それを知らずにタランティーノの映画に連れて行ったら「頭の皮を剥ぐシーンが辛かった」とか「あんなに人が死ななくても」とかしばらくうるさかったので一緒に観る映画は慎重に選ぶ。「侍タイムスリッパー」は毒もなさそうだし、色々と興味深かった。誰一人知っている俳優の出ない超低予算映画。監督は米作りの間に間に資金を集め、撮影所の結髪さんたちはシナリオが面白いからと破格のギャラで協力。映画を愛する人々の心意気でできたような映画だ。
時は幕末、侍が雷に打たれ、令和の世にタイムスリップ…というのはさほど驚く設定ではないが、現世に来て途方にくれる主人公の心情や周りの人々の優しさが細やかで、温かい気持ちになる。特に己が仕えていた会津藩の最期を主人公が知るシーンでは胸が痛んだ。
鑑賞後も非常に爽やかで、私はその気持ちのままお気に入りのピザ屋に行った。するとヲタメがオーダーしたメニューの量が少なく、また文句を言い出した。食べ物についてつべこべ言うコイツは絶対モノノフではないな、と思いつつ、あんまりうるさいのでシウマイ弁当を買ってやった。
今月はNetflixで「わたしのトナカイちゃん」も観た。クリスマスに向けた可愛いお話かと思ったらとんでもないスーパーストーカーの話だった。ストーカー役の女性がふくよかだったせいで、ほぼ彼女に感情移入しながら観た。彼女の笑顔は天使のように愛らしいのだが、いったん攻撃に回った時の豹変ぶりが怖しい。登場人物は皆傷を抱えているが、その出会いが癒しではなく、傷を抉る方向へ進んでしまうこと…確かにあるよねー、と思った。
「ゴットファーザー」を最初からちゃんと観たいと思っていたのだが、小さい頃見た「ウマの首」の衝撃がすさましく、ついつい「極悪女王」とか「トークサバイバー」を観ていた。トークサバイバーでジャングルポケットの斉藤さんを見て遺憾に思った。
いよいよ観るものがなくなったので「ゴットファーザー」を観始めると
思ったよりも早く「ウマの首」がでてきた。ええっもうウマのクビなの…と思いつつも大人なので我慢して観た。なんでこんなにウマの首が怖いのか…ウマだけにトラウマ…アッスイマセン…他にもウマの首がでてくる「ブリキの太鼓」というドイツ映画があったのだ。
こちらではウマの首を川に投げ、屍肉を喰らいに入り込んでくるウナギを捕まえる。ウマの首を引き上げると目から鼻からウナギがニョロニョロという地獄絵図で悲鳴をあげそうになった。
ずいぶん昔のことだから、もうないと思うけど、自由が丘の劇場で観た。「気狂いピエロ」との二本立てだ。映画が始まる前にフラリと館ひろしが入ってきた。マジでトレンチコート姿、気怠げな美女を侍らせ、あまりにイメージ通りなので驚いた。例のウナギニョロニョロのシーンでは館さん大丈夫かな…と心配になった。二本とも舘さんが心配になるタイプの映画だった。
もしまだ小劇場がたくさん残っていたら「侍タイムスリッパー」は、そんなところで観たかった気がする。「カメラを止めるな」と二本立てなら立ち見もでそうだ。ちなみに自分の中での映画連続視聴記録は、浅草でのクレイジーキャッツ5本建てオールナイト。あれは我ながらよくがんばったと思う。