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見かけより中身
今日のおすすめの一冊は、宮下真(まこと)氏の『道を切り開く86のことば 論語』(永岡書店)です。その中から「嘆くより自分を磨け」という題でブログを書きました。
本書の中に、「見かけより中身」という心に響く文章がありました。
《子曰く、巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁(じん)。》
(口先のうまい人や、見かけばかりのものにロクなものはないよ。)
ことば巧みに相手の気持ちをつかみ、外見もスマートで見栄えがよければ、世の中をうまく渡っていけそうです。自分が口下手だったり、外見にコンプレックスを持っていたりすると、そんなふうになりたいと思いがちかもしれません。
でも孔子は、「口がうまいのや外見にばかりこだわるような人は、だいたい『仁』 が欠けているものだ」と言っているのです。 「仁」とは、孔子が人に最も大切なものとする、思いやり、いつくしみの心、他者への愛です。人への「情け」といってもいいでしょう。
『論語』には、理想とする「仁」について、孔子がさまざまな場面でさまざまな角度から語ったことばが多くあります。中でもこの「巧言令色、鮮なし仁」と対照的なことばに、「子曰く、剛(ごう)、毅(き)、朴(ぼく)、訥(とつ)、仁に近し」(子路篇13-2)があります。
「真っ正直で、勇敢で、気どらず、寡黙なのは仁者に近い」というのです。 世間では「口先や外見だけでは人柄はわからない」ともいい、「やはり外見やことばに人柄は表れるものだ」ともいいます。どちらが真実かというより、大事なのはまず人を見る眼を養うことでしょう。でも「鮮なし仁」と言い切った孔子の ことばは肝に銘じておくとよさそうです。
◆見た目や外見は若い頃は、価値があるように思える。しかし、人は、誰もが歳を取り、年配者となる。どれだけ、イケメンで美人だったとしても、外見は衰えるものだからだ。見た目や外見だけで勝負してきた人は、中身のないスカスカのただの「老人」になってしまう。
反対に歳を取れば取るほど魅力的になる人がいる。自分という中身を磨いてきた人だ。晩年になればなるほど、若い頃よりさらに読書や勉強に励み、修養してきた人でもある。
人生の後半生は、「見かけより中身」という言葉を胸に刻みたい。
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