見出し画像

フードテック革命

今日のおすすめの一冊は、『フードテック革命』(日経BP)です。ブログは本と同名の「フードテック革命」と題して書きました。

今回のこの本で衝撃的だったことは、「フードテック」業界は、今、「iPhoneが発売された前夜」の状況だということです。

iPhoneが発売される前までは、日本の携帯業界は世界でも最も進んでいる業界でした。通信速度も世界一、iモードや写メ、絵文字なども、世界最先端。だから、日本の携帯業界の人達は、iPhoneを見て、別に驚きもしませんでした。なぜなら、機能的には日本の方が進んでいたからです。しかし、その後の展開は、御存知の通り、ひどいものでした。あれよあれよという間に、日本はズルズルと負け続けたのです。

このことに、日本がこの30年間で世界に遅れをとった「解」がある気がします。いわゆる失われた30年です。工業化の波に乗って、日本はひたすら技術を磨いてきました。スペックにこだわり、すべてをその尺度で計ろうとする風潮が工業化社会ともいえます。しかし、時代はポスト工業化の時代に入り、むしろ技術より、顧客体験という、ユーザーエクスペリエンス(UX)の時代に入ったのです。

UXは商品やサービスを通じて得られる体験(experience)のことです。たとえば、スターバックスは、自社の店舗を「サードプレイス(第三の場所)」と位置付けています。家、職場に次ぐ第三の場所ということです。内装や、ソファ、音楽、雰囲気など、すべてがほっと落ち着ける第三の場所を演出しているのです。ですから、他の店舗より価格が多少高めでも繁盛しています。

つまり、機能やスペックや価格ではなく、ユーザーエクスペリエンス(UX)で選ばれているのです。その一つは、見た目だったり、カッコよさだったり、楽しそうだったり、心地よさそうだったりするような感覚や体験です。昨今、デザインやビジュアルが重視されるのは、そこにも大きな理由があります。もう一つ大事なのは、ユーザーインターフェース(UI)と呼ばれる、使い勝手や分かりやすさ、直感的な操作法などです。

そして、大事なのは顧客接点の頻度です。たとえば、商品を売ったらおしまいではなく、日々商品を通じての体験が共有できてきるかどうかです。接点の頻度が多ければ、コアな顧客ができ、それが全体のUXに好影響を与えます。

UXが、DXというデジタルトランスフォーメーションによって、更に進化し、加速しています。もはや、どの産業であるとか、どの業種であるとか、規模の大小を問わず、デジタル化は必須です。一番遅れた産業であればあるほど、それは効果的です。その一例が、今回の「フードテック」です。今後、食品産業のみならず、食品小売業、外食、農業や生産者にこのフードテック革命は浸透していくと思います。

フードテックを通して、さらに考え方と行動を深化させたいです。

今日のブログはこちらから☟
https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12618715809.html

いいなと思ったら応援しよう!