見出し画像

花は香り、人は人柄

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『安岡正篤 心に残る言葉』(致知出版社)です。その中から「述べて作らず」という題でブログを書きました。

本書の中に「花は香り、人は人柄」という心に響く文章がありました。

相田みつをさんにこんな詩があります。
「あなたがそこに ただいるだけで/その場の空気があかるくなる/あなたがそこにただいるだけで/みんなのこころがやすらぐ/そんなあなたに わたしもなりたい」
そういう人格、そういう人になるために我々は学び続けていかなければいけないと思うんですね。
安岡先生は「物知りになんかなるな」といいました。では、どうなればいいのか。 私は、安岡先生が一生いい続けたことを一語に翻訳すると、次の言葉に尽きるので はないかと思います。
「花は香り、人は人柄」
人柄が悪かったら、いくら物を知っていたところで何の価値もない。 花も香りがなかったらニセ物の花です。 人間もいくら実力があっても、あるいは容姿端麗でも、人物が悪かったらその価値は半減してしまいます。 だから、やはり花は香り、そして、人は人柄。
安岡先生は、学んだことを自分の人生に活かしていく「活学のできる人になれ」ということを一生言い続けたんですね。 先生が、活学とはどういうことかと説明している文章があります。
「その学問、その思想をもって自分の性格を作り、これを自分の環境に及ぼしてゆくという実践性がなければ活学ではない。 われわれは今後本当に人間を作り、家庭を作り、社会を作る上に役立つ生命のある思想学問を興し、これを政治経済百般に適用してゆかねばならない」
また、別の機会にはこんなことをいっています。
「環境が人を作るということに捉われてしまえば、人間は単なる物、単なる機械になってしまう。 人は環境を作るからして、そこに人間の人間たる所以がある。自由がある。即ち主体性、創造性がある。だから人物が偉大であればあるほど、立派な環境を作る。人間が出来ないと環境に支配される」
偉大な人物は環境を変えていくのですね。しかし、人間がお粗末だと環境に支配されてしまう。 だから、環境はあなたがつくるんです。そしてリーダーというものは、環境をつくる人にならなくてはいけません。 リーダーはエナジャイザー、エネルギーを与える人でなくてはいけません。 リーダーは、そこにいる人たちに絶えず勇気と希望と夢を与えていく。そういう人材でなければ本当のリーダーとはいえないのです。
もう一度いいます。リーダーの役割は、人々に勇気と希望、夢、そういうものを与えて、人々の心を活性化していくことです。 絶えずそれをやっていたら、人間のいる環境は自然によき方向に変わっていくんで す。
藤尾氏が松原泰道さんにこう質問をしたそうです。
「松原先生、 仏教の極意、神髄は何ですか?」 そうしたら、松原泰道先生から明快に答えが返ってきました。この言葉は私の財産 です。そのときに、まさしく私が欲していた言葉が返ってきたんです。
「仏教の神髄は、上求菩提(じょうぐぼだい)、 下化衆生(げけしゅじょう)だ」
上求菩提というのは、自分の人間性を少しでも向上させていくこと。 そして下化衆生というのは、少しでも人のために尽くしていくこと。 仏教の神髄はこの二つだというんですね。

まさに、人格を高め、人柄をよくする方法がこれだと思います。いくつになっても、自分の人間性を高め、向上させていく。そのためには、棺桶に足を突っ込むその瞬間まで、勉強が必要なのだと思います。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


いいなと思ったら応援しよう!