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この世のすべては修行であり、何ひとつ無駄なことはない

今日のおすすめの一冊は、ひろさちや氏の『いい言葉が、心を掃除する』(PHP研究所))です。その中から『「ありのままの自分」は怠け者の言い訳』という題でブログを書きました。

本書の中に「この世のすべては修行であり、何ひとつ無駄なことはない」という心に響く文章がありました。

「極楽百年の修行は穢土(えど)一日の功に及ばず」(報恩抄・日蓮)

極楽浄土で百年間修行をしようとも、この世で一日修行した成果には及ばない。日蓮は苦で満ちるこの世こそ最上の修業の場であると喝破しました。

アメリカの成功者に、それを体現したような人物がいます。先年亡くなったアップルの創業者、スティーブ・ジョブズです。ジョブズの人生は波乱の連続でした。生まれてすぐ養子に出されたり、せっかく受かった大学は半年ほどで中退してしまったり…。

しかし、ジョブズは挫折すら糧とする術を心得ていました。空き瓶の返還金の5セントを食費にあてなければいけないような貧しさを、ハングリー精神に昇華しました。創業した会社をクビになるという驚くべき不運を、よりクリエイティブな自分になるための燃料にしました。

ジョブズが仏教にシンパシーを持っていたのは有名な話です。「この世のすべては修行であり、何ひとつ無駄なことはない」という仏教的な価値観が、彼には自然と根づいていたのかもしれません。

毎日毎日、つらいことやイヤになることばかり。心身の疲れがあまりにも溜まってくると、どうしてこんな世に生まれてきたのだろうと、親を恨みたくなるときすらあるでしょう。しかし、何十年も生きていると、思わぬところで昔の経験が活きてくる場面に遭遇することも珍しいことではありません。

今の苦しさは試練。試練があるのは、この世が修行場だからこそ。乗り越えた先には、必ず大きな実がなっています。

京セラ創業者の稲盛和夫氏はこう語る。

『この世へ何をしにきたのか』と問われたら、私は、『生まれたときより、少しでもましな人間になる、すなわち、わずかなりとも美しく崇高な魂を持って死んでいくためだ』と答えます

輪廻の考え方からすると、この世にはテーマを持って生まれてくるという。それが、前の時(前世)より、少しでもましな人間になること。そのために、つらいことや、イヤなこと、苦しいことを、自分自身が長い人生の中にちりばめ、設定してきた。

自らハードルを高くしてそれを乗り越えることが、己を高めることになるからだ。「困難なこと」は自分自身が決めたこと、と思うなら、それに文句を言ってもはじまらない。自分の魂の修業のために、我々はこの世に生を受けた。

魂を磨き、輝かせる修行。つらいことやイヤなことが、磨き砂となって、魂を磨いてくれる、この世は最上の修業の場。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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