店をオープンさせて燃え尽きてしまう人
今日のおすすめの一冊は、邑井操氏の『遅咲きの人間学』PHP文庫です。ブログは同名の「遅咲きの人間学」で書きました。
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邑井氏は冒頭にあるタレントの栄枯盛衰を書いてありましたが、同様の事例としては、飲食店があります。老舗のレストランやホテルで修行した調理人が、自分の郷里に帰って店を開くというような場合です。修行中は、仕事が終わってからも、休みの日でも、自分の店を持つため、たくさんの話題のレストランや飲食店に行ったりして必死で勉強します。
そして、店をオープンさせます。すると何年かはその勢いで店は繁盛します。しかし、10年たち20年たつと、その店の7,8割はつぶれてしまうという統計があります。なぜなら、前出のタレントのように、オープン後の忙しさにかまけ、すっかり勉強しなくなってしまうからです。
新たに出てきた繁盛店に行くこともなくなり、世の中の情勢や動きにも疎(うと)くなり、オープンしたての頃の勉強にかける情熱が薄れてしまうからです。人も同じで、老いる人は「新しいこと」に対する関心がなくなり、「新しいこと」を知ろうとする意欲も、好奇心も薄れてしまいます。つまり、店が老いてしまったということです。人は老いるのに相当時間がかかりますが、店が老いるのはほんの一瞬です。
結婚すると多くの人は、「この人と結婚できてよかった」「結婚できて幸せ」と、結婚があたかもゴールのように感じてしまいます。大学入試も同じで、志望した大学へ入ることだけが目的の人がいます。しかし、結婚は結婚してから、どういう生活を送るか、二人でどんな人生を築きあげるかが大事なのです。また、大学も、入ってから何を学ぶのか、何を身につけるかが大切なのに、それをついつい忘れてしまいます。
商売も同じです。店をオープンさせることが目標になっている人は、そこから先のビジョンがありません。オープンしただけで抜け殻のようになってしまう人もいます。オープンしたことで燃え尽きてしまう人です。この「遅咲きの人間学」のように、大事なのは生涯にわたってどれだけコツコツと努力を続けることができたのかです。
世の中は、若くして成功した人がよく紹介されますが、報道されるほどそれは珍しいということなのです。多くの凡人たち(もちろん私も含めて)は、コツコツと努力を継続的に積み重ねることしか、世に生きていく方法はありません。
IT業界の変化の激しさはよく言われる話ですが、飲食業界もそれに負けないくらい変化が激烈で、栄枯盛衰の激しい業界です。だからこそ、これからはますます勉強し続けないとすぐに置いていかれてしまいます。飲食店の例を出しましたが、これは何の商売でも言えることです。「遅咲きの道」をコツコツと歩みたいと思います。
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