惻隠(そくいん)の情
今日のおすすめの一冊は、志賀内泰弘(しがないやすひろ)氏の『元気がでてくる「いい話」』(グラフ社)です。その中から「会社の肩書」という題でブログを書きました。
本書の中に「惻隠(そくいん)の情」という心に響く文章がありました。
◆今まで成功していた人が、ある日倒産したり、失敗して迷惑を掛けたとき、たいてい人は態度が豹変する。邪険に扱い、罵倒もする。時代の寵児(ちょうじ)に祭り上げられた者が転落したときほど世間の批判の目は厳しい。
国家の品格を書いた、藤原正彦氏は、ライブドアの堀江氏(ホリエモン)が全盛の頃講演で、彼のことを「下品」で「卑怯」と口を極めて批判した。しかし、その後、彼が逮捕されると、ピタッと堀江氏のことは言わなくなった。
「司直の手が入り、裁かれた者に、さらに追い討ちをかけるような真似はできない」「それが、惻隠(そくいん)の情だ」と言っていた。
惻隠の情とは、弱者へのいたわりやあわれみの心であり、失意に打ちひしがれている敗者への思いやりの心だ。日本古来の武道には、この惻隠の情があった。だが、昨今では、勝ってガッツポーズをしたり、勝ち誇るような高笑いをする者さえいる。敗者や弱者、虐(しいた)げられた者に対したとき、人間の本当の姿がわかる。惻隠の情を持てる人でありたい。
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