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自分の「タグ」を発信する

今日のおすすめの一冊は、リンクトイン日本代表、村上臣(しん)氏の『日本のキャリアの新・ルール 転職2.0』(SB Creative)です。ブログも同名の「転職2.0」として書きました。

本書の中に「タグ」についての興味深い文章があったのでシェアします。

「タグ」とはインスタグラムなどにつける「#」から始まるハッシュタグというものです。個人が一目でわかる「キーワード」であり「名札」です。フック(ひっかかり)を効かせて個人を連想させるということであり、個人の「強み」や「特徴」のことです。「タグ」がつくことで、情報が横串で検索できるようになり、より個人が認知されやすくなります。

たとえば、「法人営業×インサイドセールススキル×自動車業界×中小企業相手×1年でチームの売上を3倍に伸ばした×達成思考がある×海外経験」というように、市場価値はこのタグの掛け合わせで決まります。単体では市場価値が低くても、それぞれの掛け合わせで考えると、希少性が出てきて、市場価値も高くなります。
自分のタグは見つけるだけでなく、発信することでさらにキャリアにプラスに作用します。発信の目的は、自分自身を知ってもらうことにあります。人は、「よく知らない人」の意見をあまり聞こうとはしません。自分の意見を主張したいなら、まずは十分な自己開示を行っておく必要があるのです。
自己開示として普段からSNS上で情報発信を行っておけば、自分の意見も受け入れてもらえます。それによって、自分のタグを認知してもらえるという好循環が生まれるのです。発信するにあたっては、誰に向けて発信するかを意識してください。さしあたって対象となるのは自分が属している業界内であり、取引先の人プラスアルファくらいのコミュニティです。
まずは狭いコミュニティで認知してもらい、徐々に対象を広げていく方法が現実的と言えます。フェイスブックやツイッターなどでつながっている、近しいコミュニティに対して、自分がやっている仕事や業界ニュースに自分のコメントを添えた情報などを投稿していくのです。
記事をシェアする場合、有名なニュースはたくさんの人がコメントをするので目立ちにくいのが難点です。それよりも、業界紙のニュースや他言語のニュースを翻訳してコメントをつけたほうが、情報としての希少性を獲得できます。
自分のタグを発信するのを意識しつつ、読み手にとって有益な情報を提供するのがポイントです。肩肘を張らなくても、まずは引用した情報にコメントを添えるだけで十分です。自分が何に興味を持っているのかを提示するだけで、一つの情報発信として成立します。
そして、改めて注意するまでもないですが、ネガティブな投稿、フェイク情報の発信は避けるべきです。ニュースにコメントを添えて発信する際は、フェイクニュースかどうかを軽くチェックしておくのが安全でしょう。
発信を始めたら、とにかく継続することが大切です。2日に1回、あるいは毎朝1回など、ペースを決めて筋トレを行うときのように、ひたすらやり続けるのです。最初はまったく反応がないかもしれません。反応がないからといって、あっさり手を引くのは早計です。とにかくめげずにやり続けてください。
発信を継続していけば、徐々に反応も得られるでしょうし、場合によっては自分のことが口コミで伝わるようなこともあり得ます。これが「第一想起される人になる」ということでもあります。

ブログにも書きましたが、自分のタグというのは、市場で通用する自分の強みや適性のことです。それが希少であればあるほど、市場での価値は高くなります。自分のブランド価値が上がるということですね。そして、自分の強みは意外に自分では気が付かないもので、逆に、周りの人の方がわかることが多いのも事実です。

周りの人にいつも、「頼まれること」や「お願いされること」があったら、その中に自分の隠された強みがあるかもしれません。また、これは藤原和博氏がいう「タグ」の距離が離れていればいるほど、希少価値は高まります。たとえば、美容師でありながら英語の達人であり、ITエンジニアという具合です。

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