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パラダイムとは

今日のおすすめの一冊は、酒井穣(じょう)氏の『ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」』(中公新書ラクレ)です。その中から「動物園のライオン、サバンナのネズミ」という題でブログを書きました。

本書の中から「パラダイム」という心に響く文章がありました。

パラダイム】 アメリカの科学史家トーマス・クーンが1960年代に提唱した概念で、科学的な理論の 世界で共有されている基本的な枠組みのことを指しています。
これまで常識とされてきたことが、大きく変化するとき、それを「パラダイム・シフト」 とよく言いますよね。面白いのは「パラダイム」というのは、「パラダイム・シフト」があってはじめて広く意識されるというところです。
ある常識の中にいるときに、その「パラダイム」を疑うためには、常識が揺るがされるような事件や事実が表面化することが必要というわけです。 今、人類はインターネットの登場によって、明らかに「パラダイム・シフト」を経験しています。そこで疑われつつ、破壊されようとしている過去の常識とは、いったい何なのか。 それを意識するとき、私たちは「パラダイム」という言葉を正しく理解することができるのでしょう。
私たちは普段「仕事とはこういうものだ」という小さな「パラダイム」にとらわれていま す。それがよく現れているのが、改善活動です。 改善活動は、それが一般に奨励されるものであることに難しさがあります。言うまでもありませんが、改善はとても大切なことです。
しかし、あまりにも改善にとらわれすぎていて、 創造的な活動がおろそかになるとするなら危険です。時には、「パラダイム」から離れて、 あたらしい仕事の仕方を考えてみることも重要です。
たとえば、時には、売上を20%向上させるよりも、10倍にするほうが簡単なことがありま す。管理業務であっても、効率を20%向上させるよりも、10倍にするほうが簡単なこともあります。そのためには、普段の「パラダイム」を離れて、パラダイム・シフトを起こす必要があるのです。
現代社会における仕事のパラダイム・シフトには、ITという視点が欠かせません。今、多くの時間が取られている活動を見直し、それをITで置き換えることができないか、常に 立ち止まって考えてみる必要があるでしょう。

今、パラダイムシフトは様々な業界、団体、社会で起きています。ITというデジタル革命が起き、非連続な変化の時代が到来したからです。IT出現前とIT出現後という変化の間には、まるで深い谷ができたようなものです。到るところに谷があり、切断されています。

それは、様々な業界、社会、団体すべてに波及しています。だからこそ、今までの常識や思い込みを捨て、身軽になってその谷を飛び越えなければいけないのです。重い荷物を抱えたままでは、谷を飛び越えることはできませんから。

この大きなパラダイム・シフトを千載一遇のチャンスと捉え、乗り切ることができる人でありたいと思います。

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