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「つながり」が最高の健康法

今日のおすすめの一冊は、石川善樹氏の『友だちの数で寿命はきまる』(マガジンハウス)です。ブログも本書と同名の「友だちの数で寿命はきまる」と題して書きました。

本書の中に「つながりによる健康力の高め方」についてこう書いてあります。

それではもっとも新しい健康作りのメソッド、「つながり」による健康力の高め方について詳しく紹介しましょう。さきほど「修道女を対象とした研究」で、ポジティブ思考が長生きするという研究結果について触れましたが、「つながり」はポジティブな感情を生み出します。
人と人とが「つながり」を結ぶと、脳の中でオキシトシンという愛情ホルモンのような働きを果たしている神経伝達物質がたくさん作られるようになります。 その結果、感情がポジティブに傾きやすくなります。
「ヒトは基本的に歳を重ねるごとにネガティブな感情に傾きやすくなり、うつ病的な傾向が強くなります。 うつ病とは、気分が落ち込み、何事にも意欲的でなくなくなる状態が長く続き、社会生活に悪影響が出る病気。 施設によって異なりま すが、うつ病の初診患者の7~8%が高齢者であるというデータもあります。
高齢者になると体力が低下して身体を動かさなくなりますが、これもうつ病の一因。 身体を動かさなくなると脳への刺激が少なくなり、脳の機能が低下してうつ病を招きやすくなるのです。 「つながり」で感情をポジティブな方向へ傾けられるようになると、ネガティブ感情によるうつ病を防げるようになります。
ネガティブ感情に支配されると目先のことで頭がいっぱいになりがちですが、 ポジティブ感情が出てくると中・長期的な将来の展望や選択肢が見えてくる脳の モードに切り替わってきます。
中・長期的な展望が持てるようになると、生きることに意欲的になって気力が充実して生き甲斐が生まれますし、将来の展望を叶えるために運動や食生活に配慮して健康で長生きするための努力をするようになるでしょう。 それも「つなが り」が寿命を延ばす一因になっているのかもしれません。

前出の「修道女を対象とした研究」について、下記のようなことが書かれています。

別の心理学者たちは考え方や性格と寿命の関係を調べました。その一つに修道 女を対象とした研究があります。 生活習慣は人それぞれですが、寄宿舎で集団生活をしている修道女たちは食べ るものも生活スタイルもまったく一緒です。唯一違うのは考え方や性格くらいですから、性格の違いが寿命にどう効いてくるかが調べやすいのです。
ケンタッキー大学のデボラ・ダナー教授は、調査に参加することを同意した678人のうち、日記を書いていた180人の修道女たちが修道院に入った当時の日記を研究しました。 その日記の文面に「嬉しい」「楽しい」「幸せ」といったポジティブなキーワー ドが多い修道女と、「悲しい」「辛い」といったネガティブなキーワードが多い修道女を追跡して比べた結果、ポジティブなキーワードが多い修道女の方が寿命は 6年から7年長いという結論が出ました。
加えて修道院に入ってから60年後の生存率は劇的に違っており、ネガティブな キーワードが多い修道女の生存率は約34%だったのですが、ポジティブなキーワ ードが多い修道女の生存率は約90%に達していたのです。

この修道女の調査はかなり衝撃的でした。言葉が大事なことは知っていましたが、寿命にもこんなにも影響するとは。つまり、「悲しい」とか「辛い」とずっと言っていると、身体は「ああ、そうなんですか。そんなに悲しいなら、早く人生終わらせちゃいましょう」と言って自ら寿命を縮めちゃうということなんですね。

「つながり」も同じで、人間関係が苦痛だとか、苦手だとか言っていると、寿命を縮めることになる、というはかなりシリアスな話です。

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