念ずれば花ひらく
今日のおすすめの一冊は坂村真民氏の『詩人の颯声(さつせい)を聴く』(致知出版社)です。その中から「おこたらず、つとめよ」という題でブログを書きました。
本書に「一道を行く」という心に響く一節がありました。
「一道を行く」…、ぼくはこの言葉をよく本の扉書きにします。ぼくはそういうタイプの人間です。早咲きでなく、遅咲きです。だから、ぼくに似たか、僕の家の朴(ほお)は花が咲くまでに20年かかりました。頭のいい人は愚直に一筋のものに賭けるということをしませんね。しかし、花は一瞬にして咲かない、大木も一瞬にして大きくはならない。一日一夜の積み重ねの上に、栄光を示すんです。私はそういうタイプのものが好きです。
宗教家は一瞬にして開眼し、開悟し、回心する人がいて、そういう生き方を強調賛美しますが、私はそういうタイプや信仰を好みません。苦労に苦労を重ねた挙句達したものがいいです。わたしはそれが本物ではないかと思っています。一瞬にして変わったものは、また一瞬にして変化しますからね。
《二度とない人生だから》二度とない人生だから/ 一輪の花にも /無限の愛をそそいでゆこう /一羽の鳥の声にも/ 無心の耳をかたむけてゆこう/ 二度とない人生だから/ 一匹のこおろぎでも/ ふみころさないよう/ここころしてゆこう/ どんなにかよろこぶことだろう /二度とない人生だから/ 一ぺんでも多く便りをしよう /返事は必ず書くことにしよう /二度とない人生だから /まず一番身近な者たちに/ できるだけのことをしよう/ 貧しいけれど /こころ豊かに接してゆこう
二度とない人生だから/ つゆくさのつゆにも /めぐりあいのふしぎを思い /足をとどめてみつめてゆこう/ 二度とない人生だから/ のぼる日 しずむ日 まるい月 かけてゆく月 /四季それぞれの星星の光にふれて /わがこころをあらいきよめてゆこう/ 二度とない人生だから/ 戦争のない世の実現に努力し /そういう詩を一篇でも多く作ってゆこう/ わたしが死んだら/ あとをついでくれる若い人たちのために/ この大願を書きつづけてゆこう
そして、坂村真民先生の母上が、苦しいときにいつも口にしていたのが、「念ずれば花ひらく」という言葉です。
念ずれば/花ひらく/苦しいとき/母がいつも口にしていた/このことばを/わたしもいつのころからか/となえるようになった/そうして/そのたび/わたしの花が/ふしぎと/ひとつ/ひとつ/ひらいていった
真民先生の詩、どれも本当に心に刺さります。
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