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もっとおバカさんになる

今日のおすすめの一冊は、内藤誼人(よしひと)氏の『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)です。その中から「楽観的で陽気な人と付き合おう」という題でブログを書きました。

本書の中に「もっとおバカさんになる」という心に響く文章がありました。

ストレスを感じやすい人には、共通してみられる特徴があります。それは、「頭がよすぎる」こと。頭がよすぎて、将来のことをあれこれと考えすぎるので、心が苦しくなってしまうのです。

カナダのオンタリオ州にあるレイクヘッド大学のアレクサンダー・ペニーは、126名の大学生に、全般性不安障害テスト、心配性テスト、知能テストの3つのテストを受けてもらいました。その結果、とてもおもしろいことがわかりました。

不安を感じやすく、いつでもクヨクヨ心配ばかりしているような人は、同時に頭のよい人(知能が高い人)でもあったのです。一般に、頭がいいことは好ましいことだと考えられているのですが、頭がいいことにもちゃんとデメリットがあるのです。いいことばかりというわけにはいかないようですね。

 頭がいい人は、頭がいいだけに、ほんの小さな問題でも気になります。確率的にいえばほとんど起きないようなことでさえ、「もし起きたら......」と考えてしまうので、それが気になってしかたがないのです。 

というわけで、解決策はひとつしかありません。 そう、もっとおバカさんになるのです(笑)。 性格的に、少しだけちゃらんぽらんになり、細かいことは気にしないようにするのです。

100回中5回以下しか起きないようなことにおびえるのをやめ、それはもうほとんど起きないと割り切って、考えないようにするのです。 小さなことや、あまりに遠い未来のことなどは、考えなくともよいのではないでしょうか。 

昔の江戸っ子は明日のことさえ考えずにお金を使っていた、といいます。 「宵越しの金は持たない」というやつです。 老後のことや、貯金のことなどを一切考えないという点では、まことにおバカさんだと思いますが、先のことなど考えず、ただその日その日を生きていく、というメンタリティでいたほうが精神的には健康でいられるのかもしれません。 

現代人は、頭がよくなりすぎてしまって、かなり先のことまで心配しているように思えます。まだ10代の若者が、老後の心配をするのはさすがにやりすぎでしょう。もうちょっといいかげんになってもよいのではないかな、と私は思います。

◆小林正観さんはこう語ります。
●「強靭な精神力」を持つには、「ボーッとすること」です。「神経を張りつめて何ものもはね返すこと」ではないのです。ガードをすることでもなく、自分の周りを自分の好みどおりにつくり変えることもない。闘って状況を変えることが“強靭”なのではない。

ピリピリしないこと。先の先まで考えないこと。それは「今ここ」しか考えないこと。

ひろさちやさんは「今ここ」についてこう語ります。

●しっかりやるということは、がんばることではありません。その会社で、のんびり・ゆったり・ほどほどにやっていくのです。そのことを、禅の世界では、〈即今・当処・自己〉といいます。〈即今〉は「いま」です。〈当処〉は「ここ」です。そして〈自己〉は「わたし」。わたしたちは、いま、ここで、わたしが生きているのです。

「もっとおバカさんになる」という言葉を胸に刻みたい。

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