トラブルの乗り越え方
今日のおすすめの一冊は、工藤勇一氏の『自律する子の育て方』(SB新書)です。ブログも同名の「自律する子の育て方」と題して書きました。
本書の中に「トラブル」について話がありました。
大人は子どもたちに積極的にトラブルや失敗を体験させてあげることが大事です。「トラブルは起こるもんだ」「トラブルから人は学んでいくんだ」「トラブルを乗り越える方法があるはずだ」そういう発想に子どもたちが変わっていけば、トラブルを必要以上に恐がらなくなり、心理的安全性が保てるようになります。
たしかに子どもが苦悩している姿をみるのは辛いものです。家庭なら、お子さんが学校から帰ってきて寂しい顔をしていたら「手を貸してあげたい!」と感じるのが自然な親心でしょう。そこをいかにグッとこらえて、「本人がその体験からどんなことを学んでくれるのか」を意識していくことが大事なのです。
それを何回も繰り返しているうちに、トラブルを未然に回避したり、トラブルになっても自分でコントロールできる能力が身についていきます。同時に意識しないといけないのが、子どもの心理的安全性です。トラブルを抱えて悩んでいる子どもに対して「自分でどうにかしなさい」と完全に突き放してしまうのもまた極端すぎます。
子どもの性格によってふさわしい声かけは変わるでしょうが、たとえば「トラブルって成長していくうえでとても大事なことなんだよ」という意味づけは最低限でもしてあげることが大事でしょう。
そのうえで、「何か手伝えることがあったら言ってね」という言葉が象徴するように、大人がセーフティネットになってくれるという認識が、子どもにとっては安心材料につながるのです。その言葉にあわせて「どうしても自分の力ではできなければ、人に頼ることができるのも強さのひとつだよ」などと日頃から助けを求めることの意味づけを行っておけば、更に安心につながるでしょう。
ブログにも書きましたが、工藤氏は、何かトラブルが起きたとき、麹町中学では「3つの言葉がけ」を実践していたといいいます。1.「どうしたの?」(なにか困ったことはあるの?」)/2.「君はどうしたいの?」(これからどうしようと考えているの?」)/3.「何を支援してほしいの?」(先生になにか支援できることはある?」)
つまり、子どもに考えさせる教育です。それが自律につながるわけです。なんでも親が先に正解を答えたり、親が先回りしてやってやったりすると子どもは育ちません。そこはグッとがまんすることが必要なんだと思います。
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