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日本人の微笑

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『大人の対応力』(ワニブックス)です。その中から、「大人は、トラブルを未然に防ぐ」という題でブログを書きました。

本書の中に「日本人の微笑」というラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の言葉がありました。

ギリシャ生まれのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は『日本人の微笑』 という随筆を書いており、その中で「日本人の微笑とは、念入りに仕上げられた作法である」ということを述べています。
日本人は、自分の悲しみを語るときですら、相手にそれが伝染せぬように微笑みをたたえる。それが作法だというのです。これが、外国人から見た日本人の印象だったのでしょう。
大人の対応ができない人の多くには、微笑みが足りません。「面白い嫌味を思いつくものでね〜」などと微笑みを浮かべていれば、相手の嫌味もこちらには響きません。ですから、微笑みというものを一つの技として身体に染み込ませておくことは、たいへん重要なことなのです。
ときには爆笑するような笑いも大切ですが、この場合は「いつも静かに笑っている」というような“微笑”がポイントですよ!

行徳哲男師は、京都の広隆寺にある弥勒菩薩についてこう語っています。

ドイツの哲学者、カール・ヤスパースは「「自分は30年間、世界中の美術品や彫刻を見て回ったけれど、この菩薩に勝る美しさと気高さを持った像はどこにもなかった。人間が達しうる最高の気高さと最高の美しさを持った像が、この弥勒菩薩だ」と。しかし、「この美しさや気高さは、過ちや罪を犯した人間でなければ出てこない」とも言っています。

1300年前の飛鳥時代につくられた弥勒菩薩は、気品のある古典的微笑(アルカイックスマイル)の典型として高く評価されています。エジプトのスフィンクスとレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザと並んで「世界の三大微笑像」と言われています。

弥勒菩薩の微笑はラフカディオ・ハーンのいう「日本人の微笑」の原点です。何もかも、いいも悪いも、すべてを包容する微笑…。どんなときも静かに笑っている、大人の微笑を身につけたいと思います。

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