酵素って何?

酵素とは、生体内の化学反応の触媒の働きをするタンパク質を指す言葉です。生体の細胞内で作られ、人間だけでなく動物や植物、微生物までさまざまな生物の生命に欠かせないといわれています。

生物が生命活動を維持するためには、体内で無数の化学反応を続ける必要があります。胃の中で行われるタンパク質の分解に酵素が関わっているよく知られていますが、例えば生物が子孫を残すために必要な「受精」ひとつとっていも、精子のエネルギーを獲得するための酵素、精子が卵子の細胞を切り開く酵素など6種類もの酵素があると考えられているそうです。

微生物のような単純な生物でも1000種類以上の酵素を必要とするとされ、分類される酵素の種類は2017年時点でも、5,900を超えています。

酵素は、それぞれが行う触媒反応に従って次の6種類に分類されています。

1.オキシドレダクターゼ(酸化還元酵素)

2.トランスフェラーゼ(転移酵素)

3.ヒドラーゼ(加水分解酵素)

4.リアーゼ(脱離酵素)

5.イソメラーゼ(異性化酵素)

6.リガーゼ(合成酵素)

酵素は人命維持に欠かせないものなので、その種類やはたらきを全て説明することは出来ません。身近な酵素として話題になる事が多いの「消化酵素」です。

代表的なものでは、アミラーゼ、プロテアーゼ、リバーゼ、スクラーゼ、マルターゼ、ラクターゼ等です。

こうした酵素がなければ、私達は食べ物を消化・吸収し、エネルギーとして利用する事が出来ません。酵素とは、このように身体のさまざまな箇所で私達の命を支える大切な存在なのです。

酵素の働き、人体に及ぼす効果は様々です。

例えば大根おろしは消化を促す効果があると言われており、脂気の多い食べ物などと一緒に食べられますが、これは大根おろしがアミラーゼ等の消化酵素を含んでいるからだと言われております。このように酵素によっては消化や吸収を助けるなど、人が摂取するする事で効果が得られる物が存在します。しかし、口から摂った酵素はすべての人の身体の中で作られた場合と同じ働きをするかといえば、そうではありません。酵素は様々な原因により活性を失いますし、消化管から元の状態で体内に取り込まれる訳ではないからです。例えば先ほど挙げた精子の働きに関するような酵素は、例え口から取ったとしても体内でそのまま役割を果たすということはないでしょう。

痩せる、ダイエットするに良いなどとして様々な酵素に関する商品が販売されていますが、酵素の効果をうたったサプリメントやドリンクなどを購入する場合は、よく内容を確認してしっかりと説明のあるものを選ぶ事をお勧めします。

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