腸活で人生前向き 1

腸は第二の脳であり、腸と脳はつながっている

腸といえば、ものを食べた時に活躍する消化器官。しかし、近年の研究では、食べ物を消化するだけでなく、脳は人間の脳と密接なつながりを持っている事が分かってきてます。腸と脳の関係を表す『腸脳相関』(腸脳軸ともいう)という言葉が作られるほどです。

例えば、脳内の神経伝達物質であり、精神の安定に影響を与えるセレトニンは約80%が腸内で作られています。そこで大きな役割を果たす腸内に住む細菌たち。驚くことに、この細菌たちが、脳内でも使われるセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生成に大きく関わっている事が分かっています。そして、この生き物たちが腸内で形作る世界が、腸内フローラ(あるいは腸内細菌叢・ちょうないさいきんそう、マイクロバイオーム)です。『腸活』とは、この腸内フローラを整える事です。

腸内フローラ、腸に存在する細菌たち

では、腸内フローラとはどのようなものなのでしょうか?

腸の中には、約3万種類、1000兆個に及ぶ細菌類が住んでいます

人の細胞が60兆個と言われているので、腸内細菌の数はそれよりもはるかに多い数になります。重量にしても、1.5kg〜2.0kgになるほど。腸内最近は人間の脳より重いのです。

人類の遺伝子を分析するヒトゲノムは有名ですが、腸内フローラの微生物叢とその多様性を理解するための「ヒトマイクロバイオーム計画」というプロジェクトがあるほど、その組織は複雑です。

腸内細菌は大きく、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。

善玉菌 消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌。ビフィズス菌や乳酸菌など。

悪玉菌 体に悪い影響を及ぼす菌とされる。ウェルシュ菌・ブドウ球菌・大腸菌の有毒株など。

日和見菌 健康なときはおとなしいが、身体が弱ると悪い影響を及ぼす菌。バクテロイデス、大腸菌の無毒株、連鎖球菌など

これらの菌がどのくらいいるのか、といった分布は民族や地域、普段の食生活など、様々な要因によって驚くほど多様性があり、実際一人一人、皆違っています。つまり、ヒトそれぞれが、腸内に独自の巨大生態系を持っているからです。自然環境にバランスがあるのと同じように、腸内環境にもバランスがあり、それこそがヒトの健康を支える上で大切になるのです。

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