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元外資系コンサルが5,000枚のスライドを見て気付いた良いプレゼンの特徴 | #5 知りたいのはプロセスより結果

この投稿では、前職のコンサルや現職の人材育成・ワークショップなどで出会った5,000枚以上のプレゼン資料、及びその発表の中で学んだ「良いプレゼン」の特徴を少しずつ発信していきたいと思います。今回は、プロセスではなく結果を伝える重要性についてです。

意思決定者が知りたいのはプロセスより結果

前回投稿で最近除湿器を購入した話を書きましたが、ここで質問です。

<質問>
皆さんは除湿器の購入判断をする際、何を一番知りたいですか?

その除湿器を作ったメーカーが何人体制で、どのような製造工程で、どれほどの情熱を注ぎ込んで作ったかという背景を知りたがる人もいるかもしれません。

しかし多くの人は、除湿スピード、除湿面積、騒音といった性能、そしてその先の暮らしにもたらす変化について一番知りたいのではないでしょうか?

この様に意思決定者が知りたいのはプロセスよりも結果であることをまず認識しなければなりません。

重要性の高まるプロセス。しかし結果の重要性が下がる訳ではない

SGDs経営(Sustainable Development Goals | 持続可能な開発目標)やESG投資(Environment、Social、Governance | 環境、社会、ガバナンス)の重要性が高まる中、結果さえ出せば何をやっても許される時代ではなくなってきています。

しかしそれは、結果に加えてプロセスも大事になっただけであり、プロセスに力を入れれば結果を出さなくてもいいという話ではありません

食品を例に考えてみましょう。有機農法を使い、環境負荷の低い手法を使ったトマトがあります。但し、味は悪く、栄養価も低く、値段も高い。こんな商品があったら皆さん買いますか?残念ながらこういった商品が消費者に受け入れられるのは難しいと言わざるを得ません。

提案側に回ると失われる客観性と勇気

この様に買う(意思決定者)側の立場に立てば、プロセス以上に結果が重要なことが簡単に分かりますが、提案する側になった途端その視点が失われる、もしくは結果にコミットする自信が無く尻込みしてしまうケースがよくあります。

これはセールスだけに限ったことではありません。社内の投資決裁でも同じことが言えます。承認を仰いでいる投資を何に使うかだけでなく、その投資が会社・顧客にどの様な変化がもたらすのかを書かなければなりません。これがない限り承認はなかなか得られないでしょう。

前職のコンサル時代、億単位の比較的大きな案件の提案では必ず「ビジネスケース」というものを作成していました。これは、(顧客にとって)その投資がどのように回収され、そしてどのように投資以上の価値を生むかを示す投資対効果(ROI)のシミュレーションのようなものです。

正直効果の部分は将来の話なので、数字は確からしい推測になりますし、実際にその通りになるかは誰も保証はできません。しかしだからと言ってその将来予測が無いと意思決定の拠り所が無くなってしまいます

嘘はつけませんが、勇気を持って皆さんの提案が会社・顧客・利害関係者にもたらす変化・結果を描く。これが相手の意思決定の背中を押す重要な要素になるんですね。

まとめ

・意思決定者はプロセスよりも結果を重視して判断をする。
・SDGs経営、ESG投資等の文脈でプロセスの重要性は高まっているが、
 結果の重要性が下がっている訳ではない。
・結果は将来の事なので誰も保証はできないが、勇気を持って描いた
 確からしい予測で意思決定者の背中を押す。
 

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