見出し画像

パフォーマンスと健康~個人、そして組織~

成功を左右するパフォーマンス、+健康

パフォーマンス(成果)が出ているからといって、健康であるとは限らない。

例えば、東京五輪でメダルを確実視されていた水泳の池江選手が突然白血病と診断されたのは記憶に新しい。

また私の前職であるコンサルティングの世界でも、第一線で活躍するコンサルタントがハードワークのためにある日突然身体や心を病み、戦線離脱する場面を何度も見てきた。

この様にパフォーマンスと心身の健康は別物であり、パフォーマンスが出ているからと言って、必ずしも健康であるという因果関係は成立しない。

しかし悲しいかな、逆に健康が原因でパフォーマンスが損なわれるということは容易に起き得る。

組織にも必要な健康管理

同じ議論を組織に当てはめてみる。

組織におけるパフォーマンスとして一番わかりやすいのは、利益や売上といった経営指標(業績)だろう。

好況下では業績ばかりが注目され、組織は楽観ムードになり、組織の健康管理(公平性、透明性、人間関係、風土改革等)が蔑ろにされやすい。

これは若者が健康に気を遣わないのと似ているかもしれない。

しかし成果がもたらす昇給やボーナス、安定した雇用に隠れて蓋をされていた健康面の不安が、何らかのきっかけで離職率や人間関係の悪化という形で表面化するのは想像に難くない。

注目を浴びる健康経営

興味深いのは、昨今この企業の健康に対する注目が高まっている点だ。

戦略系コンサルティングファームとして有名なマッキンゼーからは、"Organizational Health(組織の健康)"に触れた書籍が発行されている

2022年1月には、MIT Sloan Management Reviewに"Toxic Culture Is Driving the Great Resignation(有害な企業文化が大量離職を招く)"という記事が寄稿されている。

これ以外にも、離職の主な原因に業績面ではなく企業文化(健康面)が挙げられる調査は少なくない。

おそらくこの背景には、SDGs経営に対する外部圧力やZ世代の台頭による働き手の価値観の変化等があるだろう。

つまり今の時代、個人も組織も健康に意識を向けなければ、最終的にそのツケがパフォーマンスに回ってくるということだ。

健康指標を目標に組み込む

新年に入り、2022年の目標を立てた人も多いのではないだろうか。

また日本だと4月から始まる新年度に向けて、経営方針や経営計画を策定している会社も多いと思う。

その中に組織の健康面に関する目標や施策が盛り込まれているだろうか。

環境への配慮、持続可能性、従業員満足度、離職率など色々な視点や測定指標があるが、自分のチームや組織が健全に機能しているか、持続可能なのか見つめ直す所から始めるのが良いかもしれない。

そして、自身が健康でない限り組織を健康にすることは難しい点も忘れてはいけない。

それが成果に影響を与える前に。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集