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小さい時期限定の体のケア③ 例えば髪をとかす時

さて、では実際のお世話の場面で考えてみましょう。

例えば、髪をとかす場面。

歯磨き、おむつ替えと並んで、小さい子の嫌いなことの代表じゃないでしょうか。

大事なポイントは

スバリ、二つです。

1)今から___するよ、とステップごとに必ず事前に伝える
2)とにかく痛くしない。子どもにとって気持ち良い体験になるよう全力を尽くす

1)事前に伝える


例えば美容室に行くと、美容師さんは必ず、
「じゃあ、乾かしますね」

頭を洗うときは
「倒します」
「起こします」
と事前に伝えてくれます。

病院や歯医者さんでも、今からすることを伝えてもらえないと、患者としては不安がつのり、任せようという信頼関係ができません。

それなのに、なぜか小さい子どもに対してはこの最低のマナーがお留守になっていることがほとんどです。

言葉のわからない赤ちゃんでも、抱き上げる時は
「今から抱っこするよ」と伝えてから抱っこする。

ハイハイやよちよち歩きを後ろから追いかけて止める時は、前へ回って、言葉で伝えてから抱っこしたり、こっちに戻っておいでと手を引いたりする。

髪をとくなら、「とかそうね、最初は毛先ね」、とか「次は右側からね」と、いつも同じ順番で、同じ言葉がけをすると、子どもも先が見通せて落ち着きます。

さらに、いつも朝の着替えの後とか、お風呂の時とかいつも決まった時間にやるのも大事です。そうするとそれが普通になって、嫌だということも減りますし、たとえ嫌だと言われても、「嫌だよね、でもブラシの時間だから」と時間のせいにすることができます。(使える裏技!時間のせいにするは、また別記します)


2)とにかく痛くしない。子どもにとって気持ち良い体験になるよう全力を尽くす

誰だって、歯医者へ行くのは気が引けるものです。一度でも痛い!という目にあえば当然です。子どもは元々じっとしていることが苦手なのに、髪が引っかかって「痛い!」となることが続くと、そのうちブラシを見ただけで絶対イヤイヤ!となっても仕方ないかもしれません。

絶対に痛くしないことは無理かもしれませんが、親の中にこの意図があるか。それをどれだけ丁寧に、しかも毎回実行できるか、その姿勢は子どもにも伝わります。そして、ありがたいことに、多少のミスは多めにみてくれます。

さらには、髪をとく時間は、ママの手が優しく触ってくれて気持ちいいから好き!と思ってもらえると最高です。気持ちのいいヘアサロンにはまた行きたくなりますが、雑な扱いをされるともう二度と行きたくないですよね。

このコラムの第一回目にも書きましたが、
こここそ、
親の愛情を表現する機会なんです。


大人の宿題

そのためには、必要なブラシやケアの小物をちゃんとあらかじめ用意し、手順よくできるように環境を整えることも大事です。これが先を見通せる大人としての宿題とも言えます。つまり、いつどのようにやるかを計画すること、それをやる準備をしておくことです。この宿題をちゃんとやっておくと、実際に子どもと接する時間がうんと楽になりますし、楽しくなるんです。ほんの少しの事前の投資で、大きくリターンとして返ってきます!

こういう私も娘が3歳の時にこのことをシュタイナーとピクラーから学ぶまで、全然できていませんでした。でも、赤ちゃんの身になってみるという体験的な研修を受け、以後、お世話の時間が確実に変わりました。自分の子どもだけでなく、それ以後、仕事で接した何百人の子どもたちで実証ずみです。

まずは小さいこと、簡単なことから、やってみてください!


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