心中の賊
陽明学の祖・王陽明の言葉に
『山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し』
というものがあるそうだ。出典は知らないが、司馬遼太郎の『峠』などでたびたび目にする言葉ではある。
「心中の賊」とは、何を指してそう言ってるのか、オレにはわからない。しかし、オレにおける心中の賊とはなにか、ということについて考えてみた。
考え過ぎる。オレの悪い癖だ。考え始めると、息もロクにしていない。呼吸を意識しても、ダメなのだ止まらない。
オレにおける心中の賊は、増すばかりの思考ではないか。なるほど、敵は自分で増した考えが作り増やすのであって、そんな敵ホントはいないのではないか?
『老子』に曰く、世俗の人はよろず増すことばかりに努めているが、減らしなさい。考えることを増すのではなく、減らしなさい、という意味の内容がある。読み下しないし漢文は、出てこない。
たしかに、考えることを減らせば、副交感神経が働いてくるのかな、呼吸が戻ってくる。
つまり、オレにおける心中の賊は、思考に淫する、つまり考え過ぎる、生活習慣ということになろう。バランスの取れた思考のあり方はわからないが、呼吸は大事だし、息を詰めて考えを増して緊張が続き、ありもしない敵を増やすなら、それは百害あって一理なしだ!
オレにおける心中の賊とは、とりあえずそれである。
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