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【詩】夜の輪舞

深夜12時
モンマルトルの丘の下、クリシー大通りを歩いて
ムーラン・ルージュの扉を開くと
行きかう人々の輪舞に目が眩む

私はパリに住むバイオリン弾きで
サン=サーンスの死の舞踏を演奏した
踊り狂う人々は蟻のように小さくなって
ビールの泡のように消えていく
まるで魔法のように

何かを呟いて通り過ぎる名もない詩人は
かつてオードリーと呼ばれていた
あれは忘れられない思い出で
彼はペンと斧を使って物を書いた

私にとってのムーラン・ルージュは
喧騒と乱舞の間で狂い続けていた
私はバイオリンを片手に店を盛り上げたが
以前のような人気はなかった
相変わらず ロートレックはスケッチしていたし
彼は見たままで絵を描くのではなく、あるがままに絵を描いた
娼婦も馬も全部が彼の分身だった 

あの頃、私はバイオリン弾きで
パリに住んでいた
宝石のように輝いていたあの頃の思い出は
きっと私がパリを愛していたからだろう




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