DULL-COLORED POP『マクベス』をみた
DULL-COLORED POP『マクベス』@KAAT神奈川芸術劇場、初日を観てきた。
主宰の谷賢一さんがTwitterで「初日!初日空いてる!初日に来て欲しい!」と頻りにツイートしていたので、そんなに言うなら、と。
前回『福島三部作』で初めてダルカラさんを観て、そのピュアさ・ひたむきさに感銘を受けると同時に、若干の居心地の悪さも感じていたひねくれもののわたしだが、あの熱い福島の後にシェイクスピア、その振り幅にも興味がわいた。結果、まんまと口車に乗って正解。面白かった!
※以下本筋には触れませんが、多少ネタバレかもしれないので、これから観る方はご注意ください。
「大いに翻案を試みた」(あいさつチラシより)ということで、現代日本に舞台を移し、衣装も官僚みたいなスーツ姿、三魔女にいたっては、バーレスク風←谷さんの趣味らしい笑、のケバくてセクシーなスタイル。
ぱっと見、このあたりまではよくある趣向と思いつつ、そのうちにマクベスの小心さと卑怯さが前面に出てくる造形とか、ちょいちょい挟み込まれる笑いとか、音楽や装置の効果も相まって引き込まれていき、最後は爆笑…実はうすら寒い爆笑、のうちに幕を閉じる、という。
演劇だからこそやれるものを作った、だからちゃんと劇場で目撃してくれ、という気合のこもった作品だった。谷さんは「見てくれ!」という気概をものすごく突き付けてくる、そしてそれを正しく観客に感じさせる力があると思う。
登場する俳優さんが6人の少数精鋭。それぞれがきちんと役を固めつつも、ちょっとずつ仄かにクセが匂う、それが許されているカンパニーの空気なんだろう。
それと、音楽がとてもお洒落で気に入った。劇中の「マクベスの歌」(作詞作曲:志磨遼平)が耳に残って、しばらく頭の中でずっとループしていた。
口ずさみながら外に出ると、青い光を放つ満月がKAATの肩にかかっていた。写真に収めたら、何故かGoogleフォトの表示が「12月12日 ロンドン」…
横浜って、ロンドンなのか。
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