【著作権】AIに著作権はあるのか？
AI自体に著作権があるのでしょうか。
これはこれまで議論がない分野でしょうから、これから議論がなされていくものと思います。
少なくても今言えるとすれば何かということを簡単に取り上げたいと思います。
著作権は著作者に原始的に帰属します。つまり最初に創作した著作者がまず著作権を持つことになります。著作者とは著作物を創作する者をいう（著作権法2条1項2号）と定義されています。その後に著作権譲渡をしたりすれば著作者は最初の創作した者だけど著作権者は譲渡を受けた人と言うことになります。これはAIに関わらず言えることです。
まず言えるのは、著作者とは著作物を創作する「者」なので、自然人と言うことになります。自然人とは生身の肉体のある個人をいいます。
ただし、職務著作である場合は、その自然人が所属する法人や使用者に著作権が帰属することになります（著作権法15条）。
そうすると、AIが著作物を創作した場合、AIは自然人でも法人でもないので、AI自身には著作権は帰属しないことになります。
ここで考え方によっては、AIには「創作物を生み出す能力」があるので、創作者として著作権が認められるべきだという視点から、AI自体にも著作権を認めるべきだ、という考えもあるかもしれません。しかしこれは法的にはかなり困難でしょう。
そこでAIを開発した人は、AI自身が著作権を持つことに異論がある場合であっても、自分が著作者だとして法的に争うことはあり得ます。
あるいは、AIに指示した人が著作権を持つとして、指示した人が著作者だとして争う場合もあるでしょう。
ここはかなりの議論がありうる論点ですので、今後の動向を注視したいと思います。