文章を書く前に、知っておきたい3つのこと
コピーライターとして、SNSやブログ、ホームページなど自分のメディアで発信した人、広告やプレスリリースなどを作りたい人、エッセイやコラムを書きたい、ライターとして記事を書く力をつけたいという方向けに、講座や個別指導をしています。
毎月100人以上の人の文章を添削してきて、気づいたこと。文章を書く前に、これは知っておいた方がいいなと思うポイントを3つに絞ってお伝えします。
①人はそんなに読んでいない
人の文章を読む時、自分は、どんな風に読んでいるだろう?
もうその人の文章が大好きで、連載がアップされるのを楽しみに待ってました!という時だったら、めちゃ真剣に読むかもしれないが、
だいたいSNSやブログやnoteの記事などは「流し見」が多い。
スマホを片手に、スクロールしながら、ひょいひょいと読んでいく。
そう、人はそんなに読んでいないのだ。
特に、「最後まで読まれる」ことはそんなにない。面白くないな、思っていたのとちょっと違うな、と感じた瞬間、離脱される。
それなのに、自分が書き手になると、つい「最後まで読んでもらえる」という前提で書いてしまう人が多い。
話を最後までひっぱって、ひっぱって、最後が一番面白い文章を書いたとしても、ちゃんと最後まで読ませる筆力がなければ、「なんか違う」と早々に離脱される。
チラシやホームページなどの文章が、「いいたいことでギュウギュウ」に詰まっているのも、「人は全部読んでくれる」という前提で書いているからではないでしょうか。
人はそんなに読んでいない。
最後まで読んでくれるとは限らない。
だから、タイトルや、1行目に何を書くかが大事なのです。
②文章は「受け手」のもの
文章は書いてどこかにアップした瞬間、受け手のものになります。
相手に届いた時点で、受け取った人のものになるのです。
つまり、「書き手がどういう意図で書いたか」は受け手には一切関係ない。
よく「そんなつもりで書いたんじゃない」と言う人がいます。「私はそんなつもりで書いたんじゃない。あなたの理解不足です」と。
でも、書き手がどんなつもりで書こうと、受け手がそう受け取ったならば、それが全て。
そう割り切った方が、文章は書きやすくなります。
たとえば、小説だって、ビジネス書だって、書き手がどんな意図で書いていようと、読者は自由に読み取ればいい。
小学校の国語の授業で「作者はこの時、どんな気持ちで書いたでしょう?」みたいな問題がよく出てきますが、作者の意図を考えるよりも、登場人物の気持ちを考えた方がほっぽど読解力が付くのでは?と思います。
文章は、相手に届いた瞬間に、相手のものになる。書き手の意図は、読者には一切関係ない。
「そんなつもりで書いたんじゃない」問題をどうするか?
「そんなつもりで書いたんじゃない!」と言い合っていても、何も生まれません。
読み手の意見に反発するのではなく、「読み手の意見を参考に、次に書く文章を膨らませればいい」というのが私の意見です。
つまり、SNSやブログなどに「コメント」をもらったら、それを次に生かす。
「それは違うのでは?」「ココがおかしくないですか?」というコメントが来ても、アンチだ!否定コメントだ!などと思わず、
「あー、そういう視点もあるんだなー」と受け取り、そのコメントに返信として自分が書いたことを、次の記事のネタにする。
会話でも文章でも同じですが、相手から質問されたことで、自分が本当に言いたかったことに気づくことはよくあります。
SNSは交流の場。コメントに返した自分の意見が、次のネタになるのです。
そう思うと、自分の発信に対して、否定的な意見が来ても、「ラッキー、ネタ1つ増えた」と思えるようになります。
(もちろん、コメントで人格否定をしたり、なんでもいいから攻撃してくる人は、華麗にスルー&速攻ブロックでいいと思います)。
③自分の立ち位置を決める
同じ内容の文章だとしても、誰が書いているかで受け手の印象は大きく変わる。
たとえば「宇宙人を発見しました!」と書いてあるとして、
NSAが書いているのか? NHK公式が書いているのか? 有名YouTuberが言うのか? Twitterで匿名アカウントがつぶやくのか?
で、受け手の印象は大きく変わります。
誰の言葉を信じますか?
文章には「読者」がいます。自分のためだけに書いている文章(公開しない日記やメモ)であるなら、未来の自分が読者です。
その読者に対して、どんな「立ち位置」で書くか。それを決める。
たとえば、私が「子育てコーチング」を仕事にしているとします。
子育てに悩んでいるママたちの気持ちの寄り添うnoteが書きたい。と思ったとする。
自分と、その「読者である悩めるママたち」の位置関係を決めます。
● 専門家として、教えるポジションに立つのか。
● 少し先を行く先輩ポジションに立つのか。
● 自分も現在進行形で悩んでいる・試行錯誤中の人として書くのか。
立ち位置を決めることで、書く内容も決まってくるし、文章のトーンも決まります。
世の中のすべての人に面白いと思われる文章を書こう、万人に共感されたい、と思うのはどう考えても無理ゲーです。
だから、「自分は誰の味方でいたいか」を決め、その人から見て、どんな位置に立っていたらいいのかなを考える。
たったひとりが「これは、私のために書いてくれている」「なんで、俺の気持ちがこんなにわかるんだ?」と感じる文章が、100人、1万人、100万人を動かす力になる。そう確信しています。
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