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露プーチン大統領、核ドクトリン承認~地政学リスクの高まりでドル金利低下
地政学リスクの高まりドル金利急低下、ドル円下落
夕刻ロンドンタイム、ドル円相場が突然1円あまり円高となる局面が。ドル金利が急低下したことに連れた下落ですが、なにがあったのか。地政学リスクの高まりによる米国債への資金流入=米金利低下によるものだったとみられます。
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昨晩17日、アメリカの複数のメディアが、バイデン大統領がウクライナに対しすでに供与した射程の長いミサイルATACMSをロシア領内への攻撃に使用することを許可したと伝えました。
そして、今日実際にこのATACMSが使用された模様。
同時刻、ロシア・プーチン大統領が核兵器使用条件大幅に引き下げた「核ドクトリン」を承認したというヘッドラインが流れました。
■新たなドクトリンは、核兵器の使用条件が大幅に下がり、
直接の戦争当事国以外も核抑止の対象。
■非核保有国による侵略でも核保有国の支援を受けていれば、ロシアは共同攻撃とみなす=核兵器を使用できる。
■バイデン米政権がウクライナによるアメリカ製兵器でのロシア領内攻撃を許可したことを受けた対応
バイデン大統領がこの時期にロシア領内に対するATACMS攻撃を許可したりするから、ロシアも神経質になったとみられますが、これはトランプ新政権に移行する前に駆け込みで米国の武器を消化しようとする動きといいますかか、予算を消化してしまおうということなんじゃないかとか、米国バイデン政権にいろいろ思うところはありますが、しかし核使用条件を大きく緩和するとはロシアの対応も穏やかではありませんね。こんな不穏な見解も。
プーチン大統領の〝代弁者〟が「クリスマスまでに核戦争」と警告
「急速に進展する可能性がある」
https://news.livedoor.com/article/detail/27590879/
というわけでリスク回避ムードが高まり、米国債に資金が集まり米金利が急低下、夕刻のドル円下落につながった模様です。
しかし、23:00過ぎにロシアのラブロフ外相の
「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」
「核戦争を起こさないことがロシアの立場」コメントが伝わると
低下していた米金利が反発、ドル円も反発基調となっていますが、しかし、ドル金利上昇、米株上昇の「トランプトレード」は一旦終わったように見えますね。米民主党から共和党への政権移行までの期間、振り子のように大きく政策が変わると見られる米国の不安定化はマクロ金融にとってネガティブに動くリスクが出てきました。
今夜米金利は急低下基調に。
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金利低下でもダウやラッセル2000などの株価指数は大きく売られています。
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下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株
ただしVIX指数は、やや上昇したものの低位に位置しており「リスクオフ相場全開」というセンチメントでもありません。実際ロシアが核を使用するとは思えませんし。トランプトレードでやりすぎた金利高、株高の修正の口実となっただけだと思われますので、ここからリスクオフが続くかどうかはわかりません。明日20日(水)なNVIDIAの決算も控えています。市場にとってはこちらのほうが市場を揺るがすインパクトは大きいと思われます。
米金利低下、地政学緊張の高まりとくればゴールド。テクニカル的に今夏起点の上昇相場の半値押し水準でピタリと下げ止まり上昇に転じています。
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昨日ロングし他ポンド円はあっけなく撃沈。
ドル円日足チャート、上昇トレンドが継続していますので、安易に売れないのですが、米株が大きく崩れるリスクオフ相場となれば円買いが優勢となる可能性があります。その意味で明日のNVIDIA決算は非常に重要です。
154.14円でドル円ショート参戦。
NOTE
渡辺努教授「来年または再来年のどこかのタイミングで1%を超えていく、あるいは2%に近づけることを日銀は考えている」と指摘。
現状では日銀の利上げが市場のファッションではありません。トランプトレードが終焉したか?という局面で新たなファッションを探すフェーズにあるようには思いますが、、、。