見出し画像

家づくりにまつわること⑦: 初コンタクト時の建築家との接し方とは?

初めて建築設計事務所にコンタクトする時、どのように建築家と接すればよいかわからず、不安な方も多いようです。

・建築家は忙しそうで相談がしづらい。気軽に相談して良いの?

・ある程度要望が固まってから依頼しないといけないのでは?

・建築家や不動産屋さんにいろいろ動いてもらったが、どう断ったら良いかわからない。。。

・先生と呼ぶ方が良いの?


当社の相談会でも、これらのような些細な質問がありました。今回のブログでは、吉松の主観になりますが建築家の扱い方についてシェアしたいと思います。



◉ 建築家は忙しそうで相談がしづらい。気軽に相談して良いの?


建築家は専門性が高く、なかなかどのような仕事をしているのかその詳細はあまり知られていません。図面を描く人、先生・作家のイメージ、住宅を扱う人など、その印象は様々です。

建築家の役割や仕事内容は以前の投稿「家づくりにまつわること②:建築家(建築設計事務所)は何をする人? そのメリットについて」に記載しておりますが、意外にも多岐に渡ります。しかし、基本的に建築設計事務所は大きく営業や広告活動をしない受け身な仕事であると思っています。

なぜなら、一案件の扱う金額も期間も長いこの分野では、大きな会社でない限り、月に何十件、何百件とこなせないからです。ハウスメーカー等は多くの人員を抱えているため、多くの案件をこなす必要があり、積極的に広告を打ちます。

検討期間を短くして、多くの案件をこなすビジネス的な思考よりも、建物本体や未来に対して検討をする建築設計事務所では仕事に対する姿勢は異なります。そのため、ほんのちょっとした相談でも喜んで受けてくれるでしょう。

気軽な気持ちでコンタクトしてみて下さい。



◉要望が固まっていないと依頼してはいけないのでは?

いえ、そんなことはありません。

要望を固めるということは意外に難しいことのように思います。

家をつくってもらうということは、建て主からすれば一生に一度の多額をかけることなので、あれもこれもといろいろ含めたいと考えるものです。そして結果的に要望を固めても、予算と合わず実現が難しいというケースも少なくありません。

設計契約から約3ヶ月間にあたる基本設計期間はこのような予算・敷地・スケジュール・要望といった様々な条件を整理し、その優越をつけて住まいの全体を形作っていく期間です。

そのため、まずはご家族で「これからどのような住まい方をしていきたいのか」話し合ってもらうことが大事だと考えています。それによる具体的な想いからだけでも、建築家と一緒に要望を整理することができます。

繰り返しになりますが、当社でも箇条書きの要望を情報としてもらうこともあるのですが、建て主にとってそれらには実は優越があって、それをコストや機能と合わせて検討しつつ整理していくことを基本設計期間中に行います。



◉建築家や不動産屋さんにいろいろ動いてもらったが、断っても良いのかわからない。

確かに、多大な営業努力をしてもらった方々に断わることは難しいですね。

進めていく過程で無償の範囲を都度確認していても、気が引けるものです。しかし、明快な理由があり、一生に一度の家づくりに妥協をしてはいけません。

ちなみに設計事務所はいろいろプランを描いたり、現地確認をしたり、営業活動をしたけど断られるケースは日常茶飯事です。(笑)

しかし、慣れてはいてもやはり断られると落ち込みますし、その理由を明快にほしいと思ってしまいますが、当たり前な理屈だとも思います。

いろいろ情報をもらったことには感謝し、誠意を示して事情を伝えれば理解してもらえるはずです。



◉先生と呼ぶ方が良いの?

呼ばなくて良いです。(笑)

士業=先生と呼ぶ文化がコミュニケーションとクリエイティビティを阻害していると感じます。他の士業と違って、創造性が強い建築分野においては、もっとフラットに良い程度に気を使いながら言うべきことは言えて、一緒につくっているという感覚を持ってもらう方が良いです。

そういった空気づくりのできる建築家を見つけることができれば、変な気を使うこともなくなると思います。当社では、建て主とのまったくの仲良しは避けますが、良い距離感を目指した打合せの場をデザインしています。



住まいを計画して建てることは、実際に経験した人にしかわかりません。些細なことでさえ、経験がなければわからないものです。

今回のように些細なことも当社ブログではコメントしていきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集