吉松宏樹 / hiroki yoshimatsu

建築家 / Architect MERAKITECTURE ARCHITECTS STUDIO / メラーキテクチャアーキテクツ建築研究所 代表 大阪市を拠点とする建築設計事務所です。企画・設計・研究・開発など。 https://www.merakitecture.jp/

吉松宏樹 / hiroki yoshimatsu

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マガジン

  • #建築 家づくりにまつわること

    私の事務所が定期開催している相談会で良く聞かれる住宅づくりの疑問について書いています。加えて建築家の目線で、建築業界をふまえた記事を書いています。建築にまつわることは何でもお気軽にご相談ください! 続きはこちら! https://www.merakitecture.jp/

  • 建築×社会

    週に1度、当社で行なっている研究や開発のことを綴ったり、建築業界の最新事情や技術に対して吉松が分析・コメントするマガジンです。

最近の記事

家づくりにまつわること(14):工事項目は半自動的に決まっている!

この投稿では住宅をはじめとして建築に関わるコストの内、土地代と同じく大きな比率を占める工事費について、考えてみたいと思います。 紙面にするととても分厚くなる工事見積りの明細はその多くが工事項目・材料、数量、単価で表現されています。 数量や単価は意図的に入力される情報ですが、工事項目は土地や設計図により半自動的に決まっていることをご存知でしょうか。 半と書いているのは、時々工事会社側の解釈で不要な工事を積算しているケースもあるからです。 この工事項目は大別すると ・敷地の特

    • 家づくりにまつわること(12):基本設計の本当の意味

      以前の投稿(家づくりにまつわること(11):建築設計事務所をパートナーとした住宅完成までのフローとスケジュールについて)で建築の開始~完了までを概略しました。この投稿では、住まいの方針が決定される「基本設計フェーズ」について具体的に書いてみたいと思います。 ◉基本設計フェーズの役割一般的に「基本設計」は、建て主の要望や敷地調査結果を基に建築物を構想し、そのプラン含めて構造・設備など付随した情報の基本方針をつくることを目的としています。そして、次のフェーズである実施設計では、

      • 家づくりにまつわること(11):建築設計事務所をパートナーとした住宅完成までのフローとスケジュールについて

        建築家の選定とコストについて把握できたら、次に建物完成までのフローとスケジュールの確認になります。 この投稿では、建築設計事務所をパートナーとした設計施工分離発注方式における住宅づくりの完成までのフローを書きますが、各フェーズに必要な期間に違いはありますが、どのような規模でも基本は同じですので参考にしてください。 ◉ 住宅の完成までのフロー 建築のフローはこちらにも記載しておりますが、大きく5つのフェーズに分かれています。(https://www.merakitectur

        • 地方移住を検討されている方必見!「地方移住と住まい」をキーワードに、各地に地方移住された方々からホンネ・ホンキを聞く・問いかけるトークイベント〈イジューカフェ〉を定期開催しています!

          『イジューカフェ』は、各地の移住コーディネーターや移住された方とのつながりを持つ建築設計事務所が企画・運営している「地方移住と住まい」をキーワードに、各地に地方移住された方々からホンネ・ホンキを聞く・問いかけるトークイベントや住まいに関するセミナーイベントです。 イベントはオンラインで行いますが、できる限りカフェのようにゆるく対話できる環境を提供していきたいと考えています。 「そろそろ移住について考えたい」「移住先は決まっていても空き家を住まいとして活用できるのか不安」「の

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        • #建築 家づくりにまつわること
          13本
        • 建築×社会
          2本

        記事

          家づくりにまつわること(10):コストパフォーマンスの良い家とは?

          工事費と紐づけられて語られやすい「コストパフォーマンス」について考えてみたいと思います。 家づくりにおけるコストパフォーマンスは「減額」に焦点を当てがちですが、過度に追求するとあまり良くないように思っています。 パフォーマンスはそのままにコストを下げるこの考え方ではなく、コストはそのままに計画や工夫によりパフォーマンスを良くすることをベースに考える当社の志向によります。 この投稿では、その中身についてシェアしたいと思います。 ◉パフォーマンスはそのままにコストを下げる一般

          家づくりにまつわること(10):コストパフォーマンスの良い家とは?

          家づくりにまつわること(9):坪単価の意味するところ

          当社のような建築設計事務所は、予算組みの工事費把握にあたり過去の経験や建設物価等の一般販売されている単価資料をみながら概算を算出します。設計も始まっていない初期段階では、坪単価計算により算出することが一般的です。 住まいづくりの初期に よく耳にする「坪単価」。それに含まれる工事範囲は各社で違うため、その内容は実に不明瞭です。価格競争の基準となるこの「坪単価」から理由をつけて工事範囲から項目を抜いていくことで、安く金額提示ができることが理由の一つだと考えています。 その結果

          家づくりにまつわること(9):坪単価の意味するところ

          リモートと住宅設計

          新型コロナウィルスの影響で外出にも戸惑いを覚える現状では、基本はweb会議などのリモートでプロジェクトを進めるケースが増えてきました。これからいつ第2波、第3波が来るかわからない最中では、よりそれが加速していくでしょう。 対面して物事を進めるという住まいづくりの基本を避けなければいけないとなると、住まいづくりにおけるコミュニケーションの取り方はどのように変わっていくでしょうか。 この投稿では、リモートと住宅設計について少し考えてみたいと思います。 ◉ コミュニケーション

          リモートと住宅設計

          家づくりにまつわること(8):家づくりに関わる総予算について

          この度のブログでは、住宅取得に関わる総額について書きたいと思います。 ご相談頂く建て主の方々の中には、住宅本体にかかる金額しか想定していない方も多数いらっしゃいます。 ここから数回の投稿に分けて、予算設定やコスト削減についてシェアできたらと思います。 ◉ 住宅取得に必要な総予算の明細 住宅取得における初期総予算の明細は、大きく分けると以下に分かれます。 A. 土地取得にかかる費用 B. 本体建物工事にかかる費用 C. 設計にかかる費用(建築設計・監理業務、確認申請

          家づくりにまつわること(8):家づくりに関わる総予算について

          家づくりにまつわること⑦: 初コンタクト時の建築家との接し方とは?

          初めて建築設計事務所にコンタクトする時、どのように建築家と接すればよいかわからず、不安な方も多いようです。 ・建築家は忙しそうで相談がしづらい。気軽に相談して良いの? ・ある程度要望が固まってから依頼しないといけないのでは? ・建築家や不動産屋さんにいろいろ動いてもらったが、どう断ったら良いかわからない。。。 ・先生と呼ぶ方が良いの? 当社の相談会でも、これらのような些細な質問がありました。今回のブログでは、吉松の主観になりますが建築家の扱い方についてシェアしたい

          家づくりにまつわること⑦: 初コンタクト時の建築家との接し方とは?

          家づくりにまつわること⑥:建築家選定時に間取りと概算を集め過ぎないことのススメ

          前回の投稿では、多くの家づくりが理想的なものとはなっていないことを書きました。これは当社の相談会などでのヒアリングで良く感じることですが、建て主が家づくりをしようとした時に、まず建築設計事務所を探し、手始めに候補者へ「間取り」と「金額」を求め、集めることが住まいづくりの第一歩として一般化してしまいました。 感覚的に約9割の建て主はこれらをまず求めているように思います。そして、それらを比較して、、、という流れで、ひとつの設計事務所を見つけようとされています。 しかし、建築設計

          家づくりにまつわること⑥:建築家選定時に間取りと概算を集め過ぎないことのススメ

          家づくりにまつわること⑤:建築におけるデザインとは?

          デザインとはあまりにも曖昧な言葉で、カッコ良い・かっこ悪いと言ったルックスの判定の際に使われることが多い言葉ですが、これは本質ではありません。 今回は前投稿で書けなかったデザイン全般について、そして当社の考える建築におけるデザインについて書いてみます。 ぜひ、デザインの世界に足を踏み入れてみて下さい! ◉ デザインの語源・意味を知る「デザイン」という言葉を調べてみましょう! 〈デザインdesign〉の語源は,〈指示・表示する〉を意味するラテン語の動詞designareに

          家づくりにまつわること⑤:建築におけるデザインとは?

          家づくりにまつわること④:建築家(=建築士)はみんな同じか?

          今回は、建て主が建築家を選定する際の着目ポイントについてアドバイスします。といいますのも、誰もが住宅を建築することは一生に一度の買い物であり、いざ建築しようと思っても比較基準も相場もありません。 以前の当社の相談会で、建築家マッチングサイトより10人を超える建築家からアプローチとプラン提案を受けている方がいらっしゃいましたが、何が良くて、何が良くないか、わからなくなっていました。そういった方の判断基準になればと思います。 ◉ まずは一般的な知識を押さえる 建築家と建築士

          家づくりにまつわること④:建築家(=建築士)はみんな同じか?

          【建築設計者など建築法令を扱う方々へのアンケートのお願いです】

          ご回答頂きました方の中から抽選で100名様にAmazonギフト券1000円分をプレゼントします !
↓【アンケートフォーム】↓↓↓ 
https://forms.gle/NELvRq1LFLa7LnPr6
 
 大阪市を拠点とするメラーキテクチャ アーキテクツ 建築研究所がFabeee株式会社、株式会社ターン・アンド・フロンティアと共に建築関係法令と条例に関わる設計支援ツールの検討・開発を進めています。
 
今後の設計業界全体の業務効率化を目指すため、調査アンケートを実

          【建築設計者など建築法令を扱う方々へのアンケートのお願いです】

          家づくりにまつわること③:建築家に家を依頼することのデメリット?

          前投稿の復習ですが、設計・施工分離発注方式により建築家という「第三者」を建て主と工事会社との関係の中に入れることで、デザインや性能だけでなく、コスト・工事状況の透明性に加えて、建て主と工事会社の関係良好の継続を図ることができる、またハウスメーカーや工務店に依頼する場合と比較して、実現までの総額は大方同じであることをお伝えしました。 しかし、ハウスメーカーや工務店と比較して一般的に建築家を入れることによるデメリットが語られていることも事実です。しかし、総合的に考えた時に、当社

          家づくりにまつわること③:建築家に家を依頼することのデメリット?

          家づくりにまつわること②: 建築家(建築設計事務所)は何をする人?そのメリットについて

          前投稿の復習ですが、家など建物を建てる時には、大きく分けて2つの依頼(発注)方法があることはお伝えしました。 おさらいしますと、 ・設計・施工一括発注方式 → ハウスメーカー、工務店、ゼネコン ・設計・施工分離発注方式 → 建築家 + 工事会社・工務店など ここで、ハウスメーカー、工務店による設計・施工一括発注方式はコスト・工事中のことが不透明であり、法律・耐震・省エネといった技術的な面の対応が比較的限定されているため、建て主にとって最適で理解できる家づくりができてい

          家づくりにまつわること②: 建築家(建築設計事務所)は何をする人?そのメリットについて

          家づくりにまつわること①:ハウスメーカー・工務店に住宅を依頼する時に読む投稿

          当社では、定期的に家の新築やリノベーション、リフォームの相談会を開催していますが、住宅を建てようとするとき、どこに設計してもらえば良いかわからないと良く質問を受けます。そして、その会話で良く感じることは建築設計事務所・建築家の役割の多くが知られていないということです。これから数回の投稿に分けて、量よりも質が重視される現代において、どのような家の実現方法がふさわしいのか、そのあり方について書いていきたいと思います。 当たり前ですが、建て主にとって家を建てるという行為は一生に一

          家づくりにまつわること①:ハウスメーカー・工務店に住宅を依頼する時に読む投稿