le 25 août - Paris, 1994
1994年8月25日
アレックスとシンスケと4人で大阪屋へランチを食べに行った。ラーメンではなく和食の方である。またカツとじ定食でも食べようかと思っていたのだがあれは日替わりだったらしく、メニューに載っていなかったのでマグロ丼を注文した。アレックスもマグロ丼だ。箸は使えるのか、と訊くと、まあ何とかね、と言っていたが、何とかどころではなかった。すごく綺麗に使うのだ。最近は日本人でも箸をきちんと持てない人が多いのに、すごいことだと思う。こういうのも「日本食ブーム」の影響なのだろうか。
さて、夜はまたサン・ミッシェルに集まった。今日はLibération de Parisで、1日中どこかで何かしらやっていた。夜には街中を練り歩くパレードがあり、それを見物しようということで皆で待ち合わせたのだ。
パレードはまだこの辺りには来ないし、とりあえずは飲む。すごい数の見物人とすごい数の警官の中、広場のど真ん中に皆で座り込んで、ワインだのバーボンだのシードルだのCOCAだのを飲みながら写真を撮りまくっているうちに、大通りに面した群衆が声を上げ始めた。どうやらパレードが来たらしい。しかし目の前には既に多くの人々がいて(しかも皆背が高い)、前が見えない。マリアはハネスに肩車してもらっている。何故かゼンも、僕とファディで肩車する事になった。Pourquoi? 肩車されている人が多くいた中で、男で肩車されていたのは子供を除いたらたぶんゼンだけだっただろう。フォンテーヌの彫像によじ登るバカもたくさんいた。
結局パレード自体はバスやら戦車やらが大騒ぎしながら通り過ぎていくだけだったのだが、それぞれからサーチ・ライトが20本近く上空の一点を照らしていて、その光の柱がゆらゆらと揺れながら移動して行くのは壮観だった。
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編集後記
この夏のパリ滞在で初めて知ったもののひとつに「カリモーチョ」という飲み物があります。簡単に言うと「赤ワインのコーラ割り」です。クラスメイトのスペイン人は皆これが好きで、一緒に飲むと必ず「カリモーチョ」の入ったカップが手元に回ってきました。
日記のどこかにも「かなり不味い」という記述があるし、実際「ワインにコーラをぶち込むなんて」と衝撃を受けたのですが、冷静に考えればワインを使ったカクテルは沢山あるし、あとは好みの問題というところでしょうか。
話は変わって、箸の話。
僕は幸いなことに、小さい頃かなりうるさく親から躾けられたことできちんと箸が使える大人になりました。そして今はひとりの親として、5歳の娘に箸の持ち方・使い方を教えている真っ最中なのですが、これがとても難しいんですね。
はたしてどうなることやら。なんとしても箸を美しく使える女性にしてやりたいと思いますが──「親の心子知らず」とはよく言ったものです(笑)。