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さむい会議のつくりかた ~教育現場の会議を変える~

誰もが前向きな会議に参加したい

「会議でみんな発言してくれないんです」
「主体的な姿勢で会議に参加してほしい」
「会議がしーんとしてしまい、なんだかお葬式みたい」

そんな悩みや相談を受けることがあります。

「ベテランの保育士は色々意見を出してくれるんだけど、もっと若い先生も意見を言ってほしい」

そんな悩みもよく聞きます。


たしかに、

「自分たちも関係ある話をしてるのだから、もっと話し合いに参加してほしい・・・。」

と、思う気持ちもわかります。

「もっと、こうしていきたいとか、
こうなったらいいなって思ってほしい・・・」

うんうん。
仲間と一つになって、話し合い、こどもたちにとってよりよい環境をつくっていきたいですよね。


「何を言ってもどうせムダでしょ」

でも、ちょっとまってください・・・

そもそも、
こどもたちのためにならない保育をしたい
暗い職場で仕事がしたい

と思う人なんてだれもいないと思うんですよね・・・。


こどもたちを楽しませたい。
明るい職場で仕事をしたい。

保育士であればというか、
そう思わない人なんてひとりもいないのではないでしょうか。

じゃぁ、なぜ、
そうした場をつくるための会議で発言をしてくれないのでしょうか・・・。

それは・・・
言ってもムダだからです。

でも、会議の主催者側や、いつも発言している人たちは
もっと発言してほしいと思っている・・・。

よい意見が出たら採用したいと思っているんですよね・・・。

なので、
言ってもムダではないのかもしれません。

言ってもムダだと思っている。

のです。

これって悲しい矛盾ですよね・・・。

よりよい環境を作りたくて、会議を開き、意見も言える場をつくろうとしているのに・・・・

ほんとうに悲しすぎます・・・。

なぜ、このような状態になってしまうのか・・・。

初めからそうだったのでしょうか?

相手(会議がムダだと思っているAさん)になりきってみることで、ヒントがみつかるはずです。

さむい会議のつくりかた

初めての会議に参加したAさん
(会議かぁ、どんな感じなんだろう・・・緊張するなぁ・・・)

会議が始まり、先輩たちが色々な意見をだしている
(すごいなぁ・・・自分もこんな意見が言えるのかなぁ)

若い先生の意見を聞いてみようとなり、「Aさんはどう思いますか?」と、質問を振られる
(うわっ・・・!どうしよう・・・・でも、わたしはこう思うから言ってみよう)
Aさん「わたしは、〇〇だと思うんですが・・・・」

ベテラン保育士がAさんの意見を聞いて、
「でも、〇〇だからそれは難しいよね」

周りの先輩保育士もAさんの意見に対してのデメリットを言い合い却下となる
Aさん(どうせ、自分なんか・・・恥ずかしい・・・あぁ、言わなきゃよかった・・・)

それを見ていた若手保育士Bさん
(うわぁ・・・いやだなぁ・・・わたしも思っていることがあっても言うのやめよう・・・)

ベテラン保育士
「Bさんはどう思いますか?」

Bさん
「みなさんの意見に賛成します」

さむい会議が出来上がりました・・・。


さむい会議をつくる人、参加する人たちの心理


このやり取りのどこに問題があったのでしょう・・・。

ベテラン保育士は、よりよくしたいと思い、若手の先生の意見を求めました。

でも、経験のある保育士は、今までの経験値をもとに、
保護者が心配になる・事故が起きるかもしれない
などの理由で、却下しました。

事前に問題が起きてしまいそうな意見を受け入れることなんてできませんものね・・・。


主役はこどもたちである以上、それは仕方がないことだと思います。


でも、若手の先生からそもそも意見を聞いたのは、どんな理由からでしょうか。

・経験の少ない人からの新しい意見を聞きたい
・いつもと違った角度からの意見が欲しい

といったところだと思います。

もし、今まで通りのやり方に近い答えや、正解的な意見が欲しいのでしたら、ベテラン保育士だけで会議をすればいいと思います。

自分たちよりも保育のことを知っている、こどものことを知っている先輩たちの中で意見をすることだけでもすごいことだと思います。

生産性、効率を考えれば、どんどん意見を出し合い、会議のゴールへ向かう必要があるのは分かるのですが、

きっとAさんはそうは思えません。

「みんなに無知だと思われてしまった・・・」
「みんなの前で恥をかかされた・・・」

と、思ってしまうかもしれません。

さらに、その光景を見た保育士も
「絶対ああなりたくない!」

と思わせてしまうことができる破壊力があるのです・・・。


さむい会議からの脱却


じゃぁ、どうしたら、
みんなの意見も出してもらいつつ、
できないことや無理な意見を言っても責められると思われず、
前向きな会議ができるのでしょうか・・・。



すごく簡単です。

もう、みなさんわかっていると思います。


意見を言ってくれた人に対し、お礼を言えばいいのです。


意見の内容ではなく、一緒に考えてくれたという行動にお礼を言ってあげましょう。

「なるほど!でも、〇〇だから、難しいところもあるかもしれませんね」

と、却下になってしまうことがあったとしても・・・

その後が大切です。

「でも、Aさんの意見とっても参考になったよ。」
「でも、Aさんの考えを教えてもらってうれしい。」


と、行動に対して、参加してくれたことに対して感謝を伝えましょう。

この「感謝を伝える」ことがあるか、ないかだけで・・・

「次からは言わないようにしよう」
と思うか、
「次も考えがあったら発信してみよう」
と思うかの違いとなるのです。

たったそれだけのこと?と思うような小さな行動かもしれませんが、
変化は大きいのです。

「もちろん、意見が全部通るわけではないけど、
Aさんのそういう姿勢で会議の雰囲気もよくなるし、すごく参考になるんだよね。ほんとうにありがとう。」

そう伝えあう会議が、よいチームの会議なのだと思います。

ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください。


おさえておきたいポイント


1.会議の参加者にだれひとりとして職場をよりよくしたいと思っていない人はいない
2.人は無知だと思われることが怖い
4.そもそも、そんな中で発言すること自体、すばらしいこと
3.発言の内容でなく、行動に対しお礼を伝える


最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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市村 弘貴

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