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絵本作家のお仕事は、兼業じゃだめなのか。

こんにちは、
絵本作家の はっとり ひろきです。
今日は、絵本作家という お仕事は
兼業じゃ かっこ悪いのか?
について、お話していきたいと 思います。

「絵本作家」と聞くと、
お仕事として 絵本を 作っている 人ですが、
その多くは、兼業、もしくは別の収入で 生活が確保されている中で、
出版社(版元)にラフ(下書き本)や、企画書で 採用してもらったり、
依頼を 受けたり、コンテストに 応募したりしているわけです。

そういう僕も、整備士という 仕事をしながら、
第39回講談社絵本新人賞を受賞し
プロの絵本作家として、ダブルワークでやっています。

この、兼業、もしくは、専業じゃない 絵本作家について 深堀りしていきたいと思います。

と、その前に ここでいう
「専業絵本作家」の 定義ですが
絵本を 作ること のみで、
生活が 出来ている方 のことです。
ここには、依頼案件、持ち込み案件 関係なく、
絵本を 制作する事のみで 生活されている方 です。
もちろん、月刊絵本なども 絵本ですので、
その 絵本のみで生活が 成り立っている方のことを 言います。
増刷印税、海外版権や、イベント、講演会、絵本の販売なども プラスして
生活が 成り立つ方も、専業絵本作家と 定義させてください。

逆に、ここでいう
「兼業絵本作家」の 定義は、
絵本の 仕事の他に、
別の 仕事をしていることで 生活が成り立つ方 のことです。
それは、
僕みたいな整備士や、事務職、製造業など 一般的なお仕事だけでなく
イラストレーターや、画家、デザイナーなど、
同じ「絵」に関する 仕事をしているけれど、
兼業で、絵本を制作されている方も ここに含みます。

さて、
絵本制作だけで
生活が 成り立つとは、どれくらいのことかも 定義をしていきましょう。
平均所得が458万円(2022年データ)と言われています。
単純に、12か月で割ってみると、
38万円/月となります。
そこを水準とさせてください。

毎月新作を出し続ければ、
何とかなるかもしれません。
年間12作。10年で120作。20年で240作。。。。

と、いうことで

やはり、現実的に生活していこうと思うと、
兼業で始め、どこかで ヒット作が出れば、変化するだろうと なるわけです。

絵本は、一度ヒットすると
世代を 超えて 売れ続けてくれるという特徴が あります。
そのため、いかに良いものを(良いもの の定義は いろいろありますが)
つくって、増刷や、海外版権、そしてイベントや、講演会など
絵本の部分を 増やしていけるのかが、ポイントとなります。

とはいえ、
僕は どうなのかと 言いますと、
会社員として勤め、妻と息子二人(当時2人とも小学生)が いるにも関わらず、講談社絵本新人賞を 受賞して、デビュー作が 発売する前に
絵本だけでいく!と、勢いで会社をやめました。
家族は了承してくれましたが、
実は、編集部の皆さんに全力で止められました💦
(止められない性格なので申し訳ございませんでした)

それから,
家族を 抱える責任を 感じながら、
毎日、胃を キリキリさせながら、
新作を。。。新作を。。。生活が。。。
と なっていました。

その時期に、出来た 作品には、
「トイレロケット」講談社

第1回ビルボ絵本大賞受賞作
「そこでええはなさかせてや」ビルボ

第3回こころの絵本大賞受賞作
「ひよこがほしいもの」bdk

「おいしいあまもり」ニコモ

ほか、形になったもの、ラフで眠っているものなど
たくさんできました。
でも、そんな生活は精神的に追い詰められていきます。

1年ほどたった時に、
やはり、別の仕事をしながらしようと思い、
現在の会社で正社員として働きながら
絵本を制作しています。

ここで大切なのは、
絵本を制作できる時間が取れるのかどうかです。
生活のためとはいえ、結局 絵本を作る 時間も 無くなって しまっては
本末転倒 ですので、
僕は、絵本作家として 活動しているので
(当時は、まだオンラインも 進んでいなく、上京して 打ち合わせすることもあったため)
月に 何回か お休み(有給など)を いただきたいです。
と、お伝えして、運よく 了承していただき
現在の 職場に勤めながら(応援していただきながら
絵本の活動を しています。

正直、今から絵本作家になりたいです!
という方には、生活していけるだけの
兼業をお勧めします。
兼業をしていると、気持ちにゆとりができて
逆に絵本制作に集中できます。

打ち合わせも、ほぼオンラインで 出来るので
電話、Zoom、パソコン、スキャナー、プリンターなどあれば
全く問題ありません。

今、絵本を 作っていられることが、とっても 楽しいのです。
絵本を 作っているという事に 関していえば、
プロでも、そうでなくても 同じです。
この、楽しんで作っていられる状態を いかに作ることが 出来るのかが 大切なのではないかと 思っています。

その、楽しんで作っている 作品が、見てくれた 子供たちにも 伝わって
絵本を 見てる時間が ハッピーな 時間となったら 嬉しい
です。

このように 思えるのは つい最近で、
それまでは、専業にこだわり、絵本作家一本でいく事こそが 目指す道!
と思っていましたが、
この「絵本を作っている時間」を大切にしたいと思えるようになりました。

もちろん、この先 たくさん絵本も 出していきたいですし、
増刷を重ねる 絵本もどんどん 作れたらと 思います。
そして、結果的に 絵本だけで やっていけたら良いな と思っています。

増刷といえば、ひとつ思い出したことが 有ります。
講談社絵本新人賞の授賞式の二次会の席で
選考委員の先生が、こそっと 仰っていただけたことが あります。
こうやって、会を開いてもらえることを 当たり前だと 思ってはいけない。あなたの作品で 恩返しすることが 大切ですよ

絵本作家として 成り立つという事は、
自分や、その 家族だけでもなく、
出版社や、書店さんなどへの 恩返しとなるのだという事
も 忘れずに、
絵本を 制作していきたいと 思っています。

ということで
専業、兼業 以前に
作家自身が 絵本作りを 楽しめる環境なのかどうか。
そして、
自分が 絵本を作っていくことで、誰かに 楽しんでもらえたり、
恩返しが できるかもしれないと 思っていることが 大切なのかもしれません。

今日も最後までありがとうございました。
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