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詩たち

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2024年2月の記事一覧

詩「造花」

詩「造花」

20240202

誰もいない原宿の隅に
しおれた彼は一人
シャッター 落書き 竹下通り
表参道に思い入れはない

散歩の時に似合うコーヒー
代々木公園の前に
顔馴染みになったカラスたち
あの建物は変な形

飛び出した家は部屋一つ
狭苦しくて電気と水道は止まる
蠟燭の火で不味い飯を柏の時は何食う
短いようで長い不吉な日々

痛みに慣れてしまった
石の裏に棲み着いてしまった
その感覚から逃れることな

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詩「墜落者」

詩「墜落者」

20240205

岩陰で ハッチが開く 夜のこと
異星の彼は 深呼吸する
ボロボロの 脱出ポッド 乗り捨てて
彼は慌てて コンビニに行く

レジ袋 3円払う 余裕なく
彼は両手に 菓子を詰め込む
アパートの 階段の音 五月蝿くて
耳を塞いで 菓子が散らばる

ドアを開け 中に入ると 気配する
何も居ないが 彼にはわかる
下を見て 首が曲がって 上を見て
どちらも白い 壁が広がる

パキパキと 悲

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詩「言葉」

詩「言葉」

20240202

この言葉が誰かの元に届く頃には
俺の身体は小さな小さな粒となっているだろう
空中を漂い水中に溶け出し
あらゆるものと結合して生まれ変わり続ける

水と合わされば奇妙な味のコーラになるし
鉄と合わされば鋭い凶器になるし
何でも良い そこらにあるもの 例えば
ソファやベッドと合わされば寝心地が悪くなる

小さな粒となった言葉たちが自由にやって
誰かの生活に影響を与える時になるまで

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