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文明崩壊

 過去、現在にわたり私たちの文明は繁栄と崩壊を繰り返してきた。本書では、洋の東西を問わず、これまでに文明の崩壊を招いた国、崩壊を回避した国に焦点を当て、それぞれ異なる結果を招いた理由を探っていく。

 著者は文明崩壊を招くものとして、次の5つの要因を挙げている。

1)環境破壊、2)気候変動、3)近隣の敵対集団、4)近隣の友好集団からの支援、5)様々な問題の社会対応。

 第2章から8章にかけてイースター島、ピトケアン島、ヘンダーソン島、アナサジ族、マヤ、ノルウェー領グリーンランドの崩壊について、5つの要因に照らし合わせながら見解を述べている。とりわけ、マヤの文明崩壊は"最も進歩的で創造性の豊かな社会にも人口の激減は起こりうる"ことを警告している。マヤはコロンブス到着以前の新大陸では、文化的に最も進んだ社会だった。

 第9章では文明崩壊を回避した例としてニューギニア高地、ティコピア島、日本を挙げている。

 文明崩壊を回避できた大きな要因は、その国の政策、環境であった。(詳しくは本書を読んでいただきたい。)

 私たちは過去の失敗から多くを学び、未来における最悪のシナリオを回避することに役立てることができる。本書はそのことを教えてくれる。







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