マーク・ザッカーバーグのスピーチと『パーパス・マネジメント』
◎目次
◎概要
◎マーク・ザッカーバーグのハーバードでのスピーチ
◎『パーパス・マネジメント』とは
◎これからの社会と「乾けない」世代
◎終わりに
◎概要
2017年5月25日、facebook創業者のマーク・ザッカーバーグはハーバード大学の卒業式にて、スピーチを行った。
そのスピーチは、卒業するミレニアム世代と呼ばれる若者に対して、「人生において自分より大きなものへの目的を持て」というものであった。
また、日本においては2018年8月31日にIdeal Leaders株式会社のCHO(幸せ担当役員)である丹羽真理が、社員の幸せを追求した経営について著した『パーパス・マネジメント』という本が出版された。
この2つにおいて共通することは、「一人ひとりが自分に目的と帰属するコミュニティを持ち、目的とコミュニティの前進を願わなければいけない」というメッセージである。
これからの世界、コミュニティ、そして個人はいかに生きていくことが出来るのか、についてを両者は「purpose(目的)」という言葉で表現したのであり、
何もかもが揃っている「乾けない世代」(『モチベーション革命』より)である若者がこれからを生きるために、「目的」の在り処が重要であるということを語っている。
◎マーク・ザッカーバーグのハーバードでのスピーチ
スピーチ自体はyoutube(https://youtu.be/QM8l623AouM)にあがっていて視聴することが可能。
また、BuzzFeed(https://www.buzzfeed.com/jp/sakimizoroki/cf-mzc)には全文が日本語で書き起こされているので興味があれば見ていただきたい!(切実に。笑)
ここでザッカーバーグは、目的を以下のように定義しました。
目的とは、自分よりも大きいものの一部であるという感覚です。必要とされている、取り組むべきより良いものに携わっているという感覚です。目的こそが、真の幸福をつくります。
そして誰もが目的意識を持つことの出来る世界は、3つの方法で創造されると話し、その方法は以下の3つだと語ります。
大きな意味のあるプロジェクトに一緒に取りかかること。
誰もが目的を追求する自由を持てるように平等を再定義すること。
世界中にコミュニティを築くことです。
そして、そんな世界は自分たち次第であり、一緒に創ろうと語りかけるのです。
でもそもそも何故ぼく達に目的意識が必要であり、誰もが目的意識を持つことが出来る世界が必要なのでしょうか。
この一つの答えは、モノがなんでも与えられる世代に生まれた代わりに、自らの「コミュニティ」や「目的」を見出すことが難しい世代に生まれているからです。そしてその世界は、今まで以上に不確実で先行きが見えない。
だからこそ、自分が世界市民であるという認識を持ち、世界を前進させるという大きな目的のために、何かの役割を果たそうとする意思が重要なのです。
ザッカーバーグは、その意思を作ることは誰にでも出来るがやらなければ何も変わらない。だが、一緒に創ろうと告げてスピーチを終える。
◎『パーパス・マネジメント』とは
さて、話は変わって『パーパス・マネジメント』。
この本は、Ideal Leaders株式会社のCHO(幸せ担当役員)の丹羽真理が書いた本である。
ミッション、ビジョンはもう古い。一番大事なのはパーパス(目的)である。
働き方改革が叫ばれて久しいが、いったい何が問題なのか?をそろそろ考え直す時期だろう。
そもそも企業理念として設定されている概念――ミッション、ビジョンは、米国では「古い」とされている。
それに代わる概念としてパーパス(目的)が問われている。
いま一番ホットなテーマであるパーパスを日本ではじめて紹介したい。
本書では根幹であるパーパスと「幸せ」について新しいコンセプトを提示し、CHO(Chief Happiness Officer)という会社を変革していく存在についても述べたい。(amazon 内容紹介より)
Ideal Leaders株式会社とは、Purpose&Strategy consulting(企業の存在意義の明確化とそれに基づいた実行のコンサルティング)や、Social Innovation(人と社会を大切にするイノベーション事業)、そしてCHO事業を行っている会社。
そのうち一つのCHO事業が、この本では大きく取り上げられている。
近年取り沙汰される「働き方改革」の真の目的は、「誰もが幸せに働ける社会を作り出す」ことであったと指摘し、安易な企業の勤務時間の短縮化は、日本社会にとって生産性を高めるわけでも、個人にとって幸せが達成されるものでもないと批判する。
そして、社員の幸福度(満足度ではない)は、売上・利益の向上につながるというエビデンスを示しながら、企業に対して、幸せをもたらすCHOの設置が必要なのではないか、社員の幸福度を高めましょうと提起する。
仕事における社員の幸福度は以下のように構成され、それぞれに対して、説明と向上の手段を提案している。
ここでPurposeに注目する。Purposeとは社会・企業における自らの存在意義のことで、「なぜ自分は存在しているのか」「なぜ組織は存在しているのか」への解答である。
Purposeが明確であることが起点となり、上の画像の他の要素が満たされることにより、社員の幸福度は高まる。
この本では、幸福度→利益・売上の向上のエビデンスが示されており、立脚する科学的根拠がある。
なので、「幸福度を高めましょう」と「会社にCHOを置きましょう」と提案するのである。
(この本には、CHOが具体的にどういう役割を持つのかや、事例・インタビューも入っているので、CHO導入を考えた際にはぜひ!)
◎これからの社会と「乾けない」世代
両者の共通点は、「Purpose」を持ちなさいということと、「Purpose」は個人を超えて組織やコミュニティに対する存在意義であること、
そして「Purpose」を持つ世界はかつての月面着陸のような不可能に思える成果を生み出す力を備えるということ、である。
Purposeを何故持たないといけないかといえば、ぼく達若者が「乾けない世代」であるからだ。(「乾けない世代」は『モチベーション革命』によれば、必要なモノが与えられてきた世代。)
この世代であるぼく達は、生きることに必死にならずとも、生きていける世代であり、自らの存在意義を見つけなければ人生に絶望したりする。
それでも、ぼく達は何か大きなことを成し遂げたい、社会貢献をしたいという気持ちだけはどの世代よりも大きい。
(リクルートワークス研究所「若者の社会貢献志向は、なぜ高いのか」)
そして世界は、VUCA(先が見通せない)の時代である。
(GARDNER'S WORLD「VUCA – The Acronym of our Time」)
つまり、世界はどうなるか分からない、でも自分たちが何をすれば良いのかも何をしたいのかも分からない。という時代である。
ぼくは、最近の「自分のやりたいことをやれ」という風潮には賛同していて、ぼく自身何もしてこなかった反省と純粋な興味からこんなことを書いている。だが、最近のその風潮にはもう一つ上の「世界市民感」が足りない気がする。
これは、きっと足元を固めて走っていたら見つけられるものでもあるんだろうし、逆にずっと考えていないと出てこないものなのかもしれない。
ただ、この感覚をなくしたくないと思っている。
◎終わりに
初めてのnoteなのにめちゃめちゃ長くなってしまった。笑
かつ、何を自分で言いたいのかもよくわからん、っていう八方塞がり状態。
でも、ぼくが始めた理由は思っていることを発信して、誰かに届けたいって思ったからだから、そこは一度置いて、まずは発信にこだわっていきたい。
P.S これから書いていく内容は個人の意見で、本についてもぼくの感想なだけなので、あしからず。
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