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腸管におけるグループ3自然リンパ球(ILC3)の正常な発生と機能には、ビタミンD/ビタミンD受容体(VDR)シグナルが必要である
ハイライト
▶︎ ビタミンD受容体欠損または1,25(OH)₂D₃欠乏はILC3の数を減少させ、ILC3の免疫機能を損なう
▶︎ ビタミンD/ビタミンD受容体シグナルは、適切なILC3の増殖に必要である
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▶︎ビタミンDによるILC3の調節は、T細胞・B細胞や腸内細菌叢とは無関係である
要約
グループ3自然リンパ球(ILC3)は、防御免疫と粘膜バリアの維持に重要な役割を果たします。本研究では、ビタミンD/ビタミンD受容体(VDR)シグナルが腸管ILC3を調節することを示しました。
マウスモデルにおいて、ビタミンD受容体を欠損させる、または1,25-ジヒドロキシビタミンD(活性型ビタミンD)が不足すると、安定状態における結腸のILC3数が著しく減少し、Citrobacter rodentium感染後のILC3応答が低下しました。
その結果、腸内の細菌増殖が大幅に増加し、マウスの死亡率も上昇しました。
ビタミンD受容体によるILC3の調節は、T細胞やB細胞、腸内細菌叢の影響を受けずに独立して機能することが確認されました。
また、1,25-ジヒドロキシビタミンDの欠乏を補正することで、ILC3の機能低下は回復しました。
メカニズムとして、ビタミンD受容体欠損または1,25-ジヒドロキシビタミンDの欠乏により、結腸内のKi67陽性ILC3(増殖中のILC3)が著しく減少しました。
さらに、in vivoおよびin vitroの実験により、ビタミンDホルモンが直接ILC3の増殖を促進することが確認されました。
したがって、ビタミンD/ビタミンD受容体シグナルは、ILC3の増殖を調節することで、ILC3を介した自然免疫に必要不可欠であることが示唆されます。
source
https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(19)30209-3?rss=yes