写真と俳句 その四十八
2024.07.23(火)
暑中お見舞い申し上げます
毎日、暑い日が続いています。今年は、梅雨入りが遅くて、なんだか身体が追いついていかないように感じます。
熱中症になりやすいので、水だけでなく、塩分・ミネラルをお忘れなく。
父も私も夏生まれのせいか、暑い夏には割と強く、「夏は暑いものだ」と活動的になっておりました。名古屋の夏は、特別で、太陽が他の地域より近いのではないだろうかと思うほど、日差しが強いです。
しかし東京も、毎年 暑くなっている気がします。木々を増やしたいものですね。
「方丈記」 鴨 長明
皆様よくご存知の「方丈記」。冒頭の文だけでも充分ではないかと思えます。
変わらないように見える日常の一つ一つ。しかし、水の流れのように、この世に変わらないものなど何もなくて、全ては常に変化しています。そして、やがては滅んでいってしまう。だからこそ、執着することなく、一つ一つを、今を、大切にしていきたいと思います。
そうはわかっていても…何か意味を見出したいと思ってしまう。
人から離れた鴨長明が考え抜いたその先は・・・。
末尾にある歌は、鴨長明によって詠まれたものではなく、源季広の歌で、「新勅撰集」にあるものだそうですが、鴨長明自身が加えたものなのか、後に加えられたものなのかは、わかっていないようです。
源季広は、鴨長明と同時代の歌人です。この歌は、「新勅撰集」の釈教部に、阿弥陀仏である十二光仏を詠んだものとして入っているようなので、鴨長明の心と合致して、ご本人が加えたのかもしれません。
長明の方丈
「戯作三昧」 芥川 龍之介
三昧ということは、幸いなことだと思います。スポーツ選手がゾーンに入ったと言われているその感覚も、近いものなのかもしれません。
「般若心経」
般若心経は、日本で最も多く唱えられているお経ではないでしょうか。写経をするにしても、大抵は般若心経。しかし、こちらは悟りの境地とはどういうものなのかということを説明しているものです。誰もが唱えるにしては、ハードルの高いものが選ばれました。
262文字という短さがいいのかもしれません。
般若心経には、偽経説があったり、そもそもお経ではなく呪文だという説もあります。
釈迦の時代にはいない大乗仏教の菩薩が教えを説き、それを釈迦が誉めるというスタイルなので、「釈迦が言われたことには・・・」というお経とは、確かに異なります。
世界最古のサンスクリット語で書かれたといわれる般若心経は、日本にあります。
法隆寺に伝来されたもので、寺伝によると推古朝の遣隋使、小野妹子が609年に持ち帰ったものだそうです。(附(つけたり)の「訳経記」は、江戸時代の悉曇学者・浄厳が、1694(元禄7)年にこの写本を作り、朱点や句義を注記したもの。)
「梵本心経および尊勝陀羅尼(貝葉)」と呼ばれ、現在は、東京国立博物館にて、法隆寺献納宝物として保存されています。
貝多羅(ターラー)と呼ばれる樹葉2枚に書かれた 梵字の般若心経と、仏頂尊勝陀羅尼。
観念を通して人間が認識できるものが色。我々は、物事を言葉に置き換えて、論理的に捉えようとしますが、実は、観念を取り払うことで物事の実相が見えてきます。それが空という教えです。
我々は、自分がみているもの、認識していることを、現実と捉えていますが、それは捉える側が変われば、変化するものです。言葉の意味も然りです。
宇宙は、デジタルの世界のように、0か1でクッキリと捉えることはできません。実際に起こっているその滑らかな変化を、そのまま受け取ることが空です。
自然界は、流動して、止むことはありません。
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雲の峰 間の光線を 子ら覚ゆ 広在
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*2022年、復元された方丈庵は、河合神社境内より、下鴨神社糺の森に移設されたそうです。
詳細は、下鴨神社の摂社 河合神社へお問合せください。
https://www.shimogamo-jinja.or.jp/bireikigan/