認知症の家族

同居の母は30年以上正社員でゴルフのキャディーをしながら私と弟を育ててくれました。曲がったことが大嫌いで正義感が強く、人の世話をするのが得意で昔からスポーツも万能でとても元気な母でした。

リタイヤしてからは年金で海外旅行に友人と出かけたり、韓国ドラマにはまっていたので韓国語や英語を習いにいったり、山が好きでしたのでよく、一人でも山登りにもいってました。

私は3人の子育てがまだまだでしたので一緒に楽しむ余裕がなく、子育てが終わったら一緒に行けるねと言ってました。

そんな、母が72歳でアルツハイマー型認知症に。受け入れるには時間がかかりました。最初に様子がおかしいと思ったのが洗濯物を取り入れるのに靴下がひとつしかなかったり、約束していたことをよく忘れるくらいのささいなことから始まりました。それと同時にとても昔のことをよく話すようになり、初めて聞く母の幼少期の話もありました。

あと、認知症は人格が変わるといいましが、その通り。急に突然と激しく怒り出したり、怒鳴ったりすることが増えました。

だんだんとエスカレートしていき、父や周りがただの年寄の物忘れだという中、昔から直感が働く私は母が認知症だと確信していました。

母を知る私にとって、絶対にしない行動や言動がありました。母は自分で自覚があるのかそれを悟られまいとして、よくごまかしていました。

孫やわたしの部屋を整理するといってなんでもほかしたり、自分の実印や大事なものまでほかしてなくしたり、お皿の洗い方、着物のたたみ方などを忘れていたようです。体は元気なので一人の時は友人と出かけると約束をして出かけていましたが、あとで知りましたがやはり様子がおかしかったようですが母の友人はまさか母がと思ったようです。

年に一回行く親戚の家に行って迷ってしまったり、予定を忘れ友人とダブルブッキングしたり、お金や貴重品の管理、料理ができなくなりわたしが代わりにしていました。同居していたので母の面倒を子供とわたしでみるのが当たり前ですが母はとても嫌そうでした。人に頼られることはうれしくても自分が人に頼ることが母にとってはむずかしく、自尊心が傷つけられるようでわたしにあたりがきつくなり、無視したり汚い言葉を使ったり、拒絶するようになりました。認知症のことがよくわからず、仕事をしながら母のことを一生懸命にお世話していた私にとってはとてもつらいことばかりでした。

病気がいわせてるんや、病気がやらせてるんやと自分で言い聞かせてはいたものの感情がついてこず、なんでわたしがと介護鬱になっていたのかもしれません。心に余裕がなくなり身も心もすり減っていく感じで無性に泣けてきたりして、通勤電車中でも我慢できずに涙があふれていたこともありました。

そんな母は最初は検査に連れて行くことすら大変でしたが、なんとか検査に行きついた診断がアルツハイマー型認知症。覚悟はしていましたが、そう先生から告げられた日はかなりショックでした。しかも、まだ初期に発見したつもりでしたが、先生から言われたのは中等度で精神疾患もあるかもしれませんとのこと。
MRIの脳は素人のわたしですら萎縮して小さくなってたのがわかるほどでした。

それからケアマネをつけて、介護保険を使い自宅介護をしていましたが、母が家出をしてからいまは施設でみてもらっています。
わたしはケアマネさんの言葉に救われてきました。

いま、大事な家族が認知症で介護されてる方に。

頑張らないでください。
周りや専門家に頼ってください。
自分を責めないでください。
自分をいたわり大事にしてください。
我慢しないで泣いてください。

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