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お城はビジネスモデルとしてどうなのか?前編

先週、安土城の再建が話題になっていました。クラウドファンディングとしてどうなのか?というTwitter議論になり、「クラファン一本では基本的には難しい」という雰囲気になっていまして、私もそれには同意です。

国宝建築物の再建に関する財源

というのも私も新規事業の立ち上げ支援を事業としてやっているので、国宝級の建築物の再建資金をどう集めて、どうすればビジネスモデルとして成り立たせるか?という相談をもらったこともあり、まだ実現には至っていない悔しい思いもあり、現在進行形だったりします。

安土城再建もニュースとして横目にみながら「どうやってやるつもりなんだろう?」と思っていただけに、タイムリーでした。

特に安土城の場合、論点は二つあり、

「安土城ってそもそも資料に残っていないから形がわからない」
「500億円(木造)もの建築資金をどうするか」

です。この資金をクラファンで捻出できないか?
いや現時点では結構難しいよね、というお話し。安土城は今でもVR、AR見れますが再建は多分しないだろう(できない)という方向性です。

クラウドファンディング 応援=投資行動の方程式

そこで私がいつもTwitterでフォローして意見を参考にさせてもらっている @SALLOW_SL さんが深堀してくれたブログにも書いてありますが、シンプルな1行になるほどなと納得しました。

では応援型CFは何で出資行動が決まるかというと、それは
(出資する資金) < (物理的リターン+出資者の満足感)

いや、確かにな、と思いました。その通り。

では全く無理なのか?推測も含めてアプローチしてみて、何がどう足りないのか、どうしたら実現できるのか、検証してみたいと思います。

投資リターンの基本的な考え

投資収益率=利益−投資額÷投資額×100

ですね。式にするまでもなく、利益が投資額を上回らないといけません。しかもここには時間の概念がありませんが、建築物なので劣化します。

投資額=初期の復興工事費用+運用費+数十年に一度の改修費

で表せます。

参考までに、名古屋城は太平洋戦争で焼失し、1959年に再建され、今また改修工事が行われています。姫路城は昭和の大改修が1964年、平成の改修が2015年でしたので、50年です。ですので、過去には約50年〜60年で改修工事が発生しています。

100年単位で考えると2回大改修が発生することになりますね。

お城のキャッシュフローはいくらか(入場料)

大きく分けて直接(入場料など)と間接(周辺開発のサービス業)の売上から運営費を引いたキャッシュフローがあると思います。

入場料
有料だけの人数ランキングです。2019年度版もあるのですが、コロナの影響を受けているので、少し古い2年前のものを使いました。1位の大阪でも300万人行っていないのですね。

入場料が一番高いのは姫路城で1000円。大阪城は600円ですが、仮に安土城ができたら日本最高レベルだとして1000円に仮置きします。人数も日本最高クラスので200万人とします。

ただし、名古屋と大阪を見ると入場料×有料入場者の計算がなぜか合わないので、一旦近づけるために5割としました。恐らく子供、老人、など特別サービスで安くなっている人が多いため、半額くらいの人の数が多いためと思われます。

200万人×1,000円×0.5=10億/年

周辺開発のサービス業
これは鍵を握っているので、後述します。

お城のキャッシュフローはいくらか(運営費)

運営費
これも名古屋城の収支が乗っていました。

7.2億円
=職員人件費+管理運営費(販管費のようなもの)+催事+本丸御殿

名古屋城は再建のために詳しい調査をしています。

この段階で分かりますが、建設費を全く考えないなら相当キャッシュフローはいいですね。

大阪城も載っています。名古屋と似たような感じです。こちらは周辺開発でPMO制度を利用しているので、明朗会計ですし、ずばり儲かっています。

事業費6.5億(内訳不明)

随分核心に迫ってきた感があります。

お城のキャッシュフローはいくらか(入場料ー運営費)

入場料など収入ー管理運営費=営業キャッシュフロー
10億円ー7億円=3億円

ずばり、お城は儲かります。これに、周辺開発のサービスがまだ加わります。売店収入、イベント貸し出し、などなど。さらに、寄付などもあります。

一旦力尽きたのでまた来週後編をお届けしたいと思います。

次回は周辺開発+寄付を収入に加えて問題の建設費に迫りたいと思います。

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