Q&A 「ヨガは、やりたいけど、膝が痛くてポーズが出来ないから、無理かなー。」と言う生徒の為に、膝に効くポーズがあれば、教えてください。
回答
「膝に効くポーズ」とのことですが、ヨガのアーサナ(ポーズ)は代替医療ではないので、膝を治療することはできません。ですが、身体に痛みや違和感を感じていても、病院に行くほどではないという日常的な不定愁訴に、ヨガの練習やストレッチは効果があるようです。
身体の動きやヨガのポーズは、体の関節が曲がることでつくられます。その関節に故障があれば、動きやポーズに制限が加わります。動きにくいので動くのが億劫になり、動かないと筋肉が弱り、一層痛みが増してその関節はますます硬く動きにくくなります。負のスパイラルですね。
ヨガのポーズを行うと関節は柔軟にほぐれてきます。ですが、関節に痛みがある場合は、状態に応じた加減が必要です。痛みを感じたら、無理をせずに痛くないように、自分で調整しながらポーズを行なわなければなりません。頑張りすぎずに、できるところまでを行うよう指導してください。できるところまでを見極め、頑張りすぎないことも頑張ることと同様に大切なのです。
ポーズの形は関節を曲げることで作られます。ですから、関節の負荷の軽減のために、関節をつなぐ筋肉、関節周りの筋肉を柔軟にすることが大切です。膝関節の場合は、ふくらはぎや大腿四頭筋、ハムストリングなど太ももの筋肉を柔軟にすることで、膝は曲げやすくなります。
大腿四頭筋をはじめ足の筋肉を柔軟にするポーズは以下のポーズです。これらは、足のすべての関節を柔軟にし、足の筋肉の疲れを解放し、柔軟にします。膝に負担をかけないように太ももを伸ばしてください。出来ない時は、プッロプスを活用し、無理なく伸ばせるやり方を見つけましょう。くれぐれも、呼吸が止まるほど頑張ることのないように!
「両膝を曲げた後屈」(スプタ・ヴィラ・アーサナ)」
①正座になり、足の甲を伸ばし、両足のかかとの間に腰を下ろし、英雄座、割座(ヴィラ・アーサナ)になります。膝に痛みがある時は正座(かかとの上に深く座る)でも構いません。
②両手のひらを身体の後方の床について、背骨を伸ばしながら上体を倒します。太ももを床に近づけ、尾骨を膝の方に引き下げ、仙骨が平らに床に接するようにします。膝が開かないように太ももの内側を落とし込むように内旋させます。
③ 両腕は脚の両脇に垂らすか、頭上で肘をつかみ胸を大きく開きます。そけい部、太もも前面を伸ばします。
「対策とストレッチ」
●体を後ろに倒せない時
背中に畳んだブランケットやボルスターを置いて行いましょう。膝は多少開いて行ってもよいですが、腰幅以上開かないようにします。腰を痛めます。
●もっと倒せない時
英雄座から両手首を後ろに向け両手を身体の後ろに置いて、肘を少し曲げます。あごを引き、胸が前に開くところまでもよいでしょう。
●両膝を曲げて行うのが辛い時
片膝を前に伸ばして、「片膝を曲げた後屈」で後ろに倒れます。
●膝が曲がらず正座が困難な場合
膝の裏にタオルなどあてがい、正座をしてみると太ももや膝周りの筋肉の緊張が和らぎ、膝が曲げやすくなります。また、膝裏にもう一方の足の甲を挟み、お尻をかかとに下ろすようにするとふくらはぎを柔軟にほぐし、むくみが解消できます。
●足首が硬く伸ばせない場合
ブランケットの上で正座をしてみましょう。正座は、股関節を柔軟にする坐法でもあります。