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7.ただの主婦がレ・ミゼラブルを読解していくだけのnote
まずはこちら
読むに至ったいきさつなど、最初の話はこちら。
前回 第一編 6 司教の家の守護者
司教の家の造りについてでしたが、ついに例の銀食器が登場したり大事なパートでした!
読んでいくのはこちら
青空文庫
レ・ミゼラブル LES MISERABLES
第一部 ファンティーヌ
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
豊島与志雄訳
こちらより今回は
第一編 正しき人
7 クラヴァット
を読んでいきます。縦読み用リーダーアプリで1489頁中118~134頁の部分です。
これを使ってます。Android用アプリです。
第一編 7 クラヴァット
調べた言葉など
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超意訳あらすじ
第一編(7)を私なりにまとめた超意訳あらすじがこちら。
ここでミリエル司教がどのような人物であったかをよく示すエピソードを一つ紹介しましょう。
そのころ世間を騒がせた盗賊団の残党、クラヴァット一味が司教の住む村の周辺に出没し、町の大会堂の宝をも奪い、この地方を悩ませていました。
そんな折に司教がその盗賊のいる山の中の小さな村へ巡回に行くというので、山のふもとの村の村長は止めましたが司教は聞きません。お供のものにも危険が及ぶと言えば一人で行きますと言いました。
「山の中の小さな村で司教の訪れを待っている人たちは、司教が盗賊を恐れてこないなどと知ったら何と思うでしょうか」
と、今すぐ一人で出発すると言いました。
そして一人ラバに乗って村へ行き、15日ほど過ごし、出発前に「テデオム」という讃美歌を合唱しようということになりますが、そこにはそれにふさわしい衣装など何もありませんでした。
「まあまあ、とりあえず村中にコンサートのことを伝えておいてくださいね」
と村の司祭に伝えます。村の人々でなんとか衣装になりそうなものを集めている最中に見知らぬ人が大きな箱を持ってきて黙って立ち去ります。その箱の中にはクラヴァットらに盗まれた大会堂の品々が、司教のコンサート衣装にふさわしい品々が入っていました。箱の中の紙に、
「クラヴァットよりビヤンヴニュ閣下へ」
と書いてありました。司教はだから何とかなるって言ったでしょうと微笑みました。
たくさんの盗まれた品々を持って帰ってきた司教を見て、心配でふもとの村まで迎えに来ていた妹とお手伝いさんは驚きました。その晩司教は妹に、
「決して牧師であるこちらが相手に用心してはいけないよ。危険が身に迫ってると思う時には、自分のために祈るのではなく、われわれの兄弟がわれわれのことで罪を犯すことのないようにと、神を祈ればよいのだ。」
と言いました。
ところで大会堂から盗まれた品がどうなったかって?ミリエル司教のメモにはこう残されていました。
「それは大会堂に戻されるべきか、もしくは施療院におくられるべきか、それを決めるのが問題だ」
考察のような感想のようなもの
いきなり新しい登場人物出てきて身構えたけど、割と読みやすく(セリフ多め)ちょっとクスっとするオチもわかりやすく、冒頭にあるとおりミリエル氏の人となりを表すエピソードとして入れたんだということもわかります。
司教と村長の行く、行かないで、のくだりはもっと押し問答していて、司教の頑なさもわかるし、村長のまじで危ないからやめてくれよ~あなたに何かあったらどうするのよ~という気持ちもわかっておもしろい。そして妹とお手伝いさんも、ふもとの村まで迎えに来るのやさしいし、ここまで読んでこの人たち本当にいい家族だなって思う。心配しただろうね。
テデオム(讃歌)を歌うのになにをそんな準備がいるのかはよくわからないが、キリスト教的なしきたりがあるのでしょう。とにかくそれなりの装具がいるぞと。なんでクラヴァットがそれを持ってきたのかもいまいちわからないけど、司教が彼らを恐れることなく山に入ってきたことでおもうところがあったのかな。でもきっと、この盗賊だからと言って恐れてはいけない、牧師が怖がっちゃいけない、罪を犯さないよう祈りなさいというこころが前科のあるバルジャンを受け入れたところにもつながるのではないかな。前回も書いたけど、これが司教の通常営業であり、クラヴァットやバルジャンにだけ特別だったわけじゃないのでしょう。
とはいえ、こんなことはめったにはなく、普段は同じ時間に同じことをして過ごす毎日だったとも書かれているのでそんなしょっちゅう大事件があったわけではなさそう。そりゃそうか、金田一少年やコナン君じゃないんだから。
次回 第一編 8 酔後の哲学
先にあやまらせてください。この節読めませんでした。酔うと語りだす人、いるよね…。
読んでくれてありがとうございます。1人じゃ心折れそうなので…。
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