事業のD2Cレベルがわかる 「D2C診断」をつくりました
こんにちは。SUPER STUDIOでCOOをしている花岡です。
D2Cについては「ビジネスの最適解が必ずしもD2Cではない」という記事で語った通り、以下の3つの変化が起きている現代にマッチしたマーケティングフレームワークの1つだと考えています。
消費者の住処の変化(デジタル化)
広告業界の変化(デジタル化)
消費者ニーズの変化(機能的価値から情緒的価値へ)
そして、そこでも記載したのですが、その事業が「D2Cであるかどうか」はどうでも良くて、大事なのはなぜD2Cというマーケティングフレームワークが今有効なのかの本質を知り、良いところを活用していくことだと考えています。
ただ、今まで数十件を超えるのD2C事業に携わってきましたが、D2Cを理解している方でさえ事業を抽象的に構想した段階では意識できていても、具体的なオペレーションを進めていく過程でいつの間にか「D2Cでメリットだと認識していたことが現場では行われていない」なんてことがよくあります。
そこで、客観的にD2Cの観点からあるべき運営が行われているかを簡単にチェックできる仕組みがあればいいなぁと思ったので、D2C診断というものをつくってみました。
D2C診断って何?
事業に対する合計30個の質問に回答していくことで、事業についてD2C観点から事業の強み・事業課題、課題に対するネクストアクションなどが診断結果として表示されます。
D2C診断結果詳細では、数十を超えるD2C事業を運営してきた弊社のナレッジベースでのアドバイスが表示されるようになっています。
ブランド有識者と共に議論を重ね、個人的に作っていたサービスなのですが、「PRしてください!」と広報から怒られたのでPRします。笑
診断結果ページにD2C支援サービス「Apollo D2C」へのご相談導線を貼らせて頂いております。よろしければお問い合わせくださいませ。
なぜD2C診断を作ろうと思ったのか
冒頭でも記載した通り、D2Cの強みを十分に理解している人でさえ、現場で事業にコミットしていくと、「D2Cでメリットだと認識していたことが現場では行われていない」なんてことがよくあるため、そのチェック機能になればいいなぁと思っていました。
SUPER STUDIOはD2C事業を展開している中で、ありがたいことに素晴らしいブランドをお持ちの多くの企業様と出会うことが多いのですが、、、
素晴らしいブランド・プロダクトを既に持っているがデジタル化(EC化)を適当に行ったことで多くの機会損失をしてしまっていたり、ブランディングは得意だが適切なデジタルプロモーション戦略が実施されていないため伸び悩んでいたり、逆にデジタルプロモーション戦略は強いがブランディングが弱いことで事業の継続性が欠如していたりと、客観的に見て非常にもったいないと感じる事業が多い印象を受けています。
また、僕たち自身も例外ではなく、様々なアセットをお持ちの方々と共に0からD2C事業を立ち上げる中で、最初はD2Cの強みを意識できていたが、実際、事業が拡大し日々様々な課題に向きあうことにリソースを取られてしまい、D2Cの利点をオペレーションに落とし込むのが後手に回ることもあります。
そこで、D2Cの強みであるいくつかの要素を具体的に事業に適用できているかを客観的にチェックできる診断サービスみたいなものがあればいいなぁと思ったのがきっかけでした。
※ビジネスの最適解が必ずしもD2Cではないという記事を書くぐらいなので、この診断結果が悪くてもうまくいっている事業は当然あります。
D2C診断はどのように作られているのか
D2C事業の立ち上げの流れは従来のブランド構築と本質的には同じです。
ブランドの核となるブランドアイデンティティを定め、ターゲット顧客の明確化や、6Pの観点でブランド情報を整理していく流れは変わりません。
ただ、そこにデジタル化がもたらした消費行動の変化が加わることで、ブランド情報を整理する際には、D2Cの強みである以下の要素を意識する必要があります。
①デジタル
②ユニークな体験を与えるプロダクト
③垂直統合したサプライチェーン
④顧客とのダイレクトな対話
⑤データドリブン
⑥VCから資金調達を行って短期間で急成長
例えば、プロモーション1つを取っても従来は認知系のPRをうち、店頭で販売することが主流だったのが、D2Cでは認知系といわゆる刈り取り系の2種類のプロモーションを目的別にバランスよく仕込むことが効果的です。
そういう議論を、ブランディングを得意とする大手メーカーでブランドマネージャーを担当している複数人の有識者と共にブランド構築に必要な手順を洗い出し、それができているかを確認する質問に落とし込みました。
質問の数は結果的に100を超えるものになりました。
この100を超える質問によって、D2Cの特徴でもある以下の5つの項目によって採点される仕様となっています。
・デジタル
・ブランディング
・ユーザコミュニケーション
・サプライチェーン
・マネジメント
D2C診断をつくるのに苦労した点
質問のスリム化です。
100を超える質問に事細かく答えてより精密な診断結果を出すことは可能なのですが、Webサービス上で100を超える質問に1つ1つ答えるのは現実的ではないし、疲れちゃうよねと。
過度なストレスなく、5分程度でできて、それでもある程度しっかりとした分析結果が表示されるようにロジックを作り込みスリム化することが難しかったです。
有識者同士で色々議論しながら、100個の質問を30個に統合しました。
そして、上記にも記載した通り、「デジタル」「ブランディング」「ユーザコミュニケーション」「サプライチェーン」「マネジメント」の5つの要素について診断結果が表示されるのですが、実際はこれらの要素をさらに細分化した最小項目を用意し、質問に答えることで最小項目についてスコアリングする仕様になっています。
もちろん、事業とは生き物ですので、30問の静的な質問に答えたぐらいで状況が事細かくわかるわけではないのですが、何かしらの気づきになればと思います。
どんな人に使ってもらいたいか
「D2C診断」とたいそうな名前がついているからには当然、D2C事業者に使ってほしい!と受け取られるかもしれません。
しかし、冒頭でも記載した通り、僕はその事業が「D2Cであるかどうか」はどうでも良いことであり、大事なのはなぜD2Cというマーケティングフレームワークが今有効なのかの本質を知り、良いところを活用していくことだと考えています。
そして、ものづくりビジネスは本質的に、提供側が利用者へコトやモノを通して顧客体験を価値として届けることなわけですから、利用者のニーズが変わっていることを常にキャッチアップし、提供側も柔軟に変わっていくことが世の中がより良くなるために重要かつ必要なことなのではないかと思います。
ですので、ものづくりビジネスを展開している全ての方に使って頂けたら嬉しいなと考えています。
是非、D2C診断をよろしくお願い致します。