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スタートアップの専門職キャリアについて

おはようございます。
SUPER STUDIO COOの花岡です。

SUPER STUDIOは、コマースDXを実現する統合コマースプラットフォーム「ecforce」を運営するスタートアップ企業です。

2024年12月1日より、SUPER STUDIOの人事評価制度に新たに「専門職」を設けました。

SUPER STUDIOの「総合職」は、グレードに応じた目標達成に向けて各々がスキルを磨き、成果を出すことに重きを置いています。上位グレードでは、組織全体のパフォーマンスを高めるための組織運営や戦略立案、目標管理などを行い、マネージャーとしての役割を担うようになります。それに対し「専門職」は、特定の分野で高度な専門知識やスキルを持っていることが前提となります。それらを活かしながら、該当の分野でプロジェクトを牽引し、成果の創出に特化する役割を担います。

組織が50人、100人、300人と拡大する中で、「総合職」と「専門職」を分けて基準を設けた方がいいのではないかという議論が度々行われてきましたが、この度正式に「専門職」を定義し、人事評価制度に取り入れることにしました。

なぜこのタイミングなのか、その背景や「専門職」に求められる役割、期待値など、「専門職」のキャリアについてまとめました。


1. 組織に対する考え方

SUPER STUDIOが、組織づくりで強く意識していることを以下の記事に記載しています。

ここでも熱く語った通り、大前提として人には強みと弱みがあります。

マネジメントが得意なメンバーもいれば、苦手なメンバーもいますし、短期的な成果を生み出すことに強いメンバーもいれば、中長期的な視野で物事を捉え、戦略などの立案に長けているメンバーもいます。

スタートアップ企業として求められる急成長を実現していくためには、この互いの強みにフォーカスし、リスペクトし合いながら前進することが必要です。

スタートアップ企業が高い目標を掲げ、成長し続けるためには、個の成長に企業の成長スピードを合わせることはできません。それ故に、個の成長が企業の成長スピードに追いつけない事象が多発します。僕は、今まで何度もそういうシーンを見てきました。

このような状態で、個の成長と企業の成長を共存させるためには、自身の強みと弱みを正確に認識し、組織のフェーズにあわせて変化していくことが求められます。そこでいかに活躍の形を変えていけるかが、スタートアップ企業で個のキャリアを築くためには重要です。

SUPER STUDIOの創業メンバー4名も、各々の強みが全く異なります。互いの強みにフォーカスし、会社のフェーズにあわせて変化に適応しながら活躍の形を変えてきたからこそ、今があると確信していますし、今後もそれは変わらないと思います。


2. 背景にあるのは「事業フェーズの変化」

SUPER STUDIOは変化することで成長し続けてきましたが、また一つ、大きなターニングポイントを迎えています。

SUPER STUDIOは、コマースDXを実現する統合コマースプラットフォーム「ecforce」を開発・提供する会社です。

昨年の秋に発表した通り、ecforceは「ECプラットフォーム」から「統合コマースプラットフォーム」へと進化してきました。

字面としては「統合」を足して、e-commerceの「e」を引いたものになっています。

詳しくは上記の記事を読んでいただければとは思いますが、今までEC領域に特化したプラットフォームだったところから、オンラインだけでなくオフラインも含めた全ての販売チャネルの顧客データの取得・統合管理から、分析・活用までをワンプロダクトで行うことで、コマース事業のDXを実現するプラットフォームへと進化しました。

これは、ecforceのソリューションの課題解決スコープが「EC」から「コマース事業全体」に明らかに広がったことを意味しています。

従来は、EC事業をグロースさせるために、EC事業戦略を実現するシステムの最適化やUI/UX改善、マーケティングからサプライチェーンまでの支援など、ECを主軸にソリューションを提供していました。しかし現在は、オンライン・オフラインのあらゆるデータを取得、シームレスに統合管理し、データ分析・活用でコマース事業全体を最適化するコマースDXソリューションを提供しています。

また提供するソリューションの形はSaaS提供だけにとどまらず、特にエンタープライズ企業に向けて、コマース事業の課題に対してプロジェクトベースで並走し、アジャイルに事業改善を行っていくコンサルティングサービスも強化する予定です。

オンライン・オフラインの現場で即座に活用できるコマース領域のプロダクトと、自社D2C事業の運営で培ったコマース領域の知見・ノウハウを活用し、オンライン・オフラインを統合した最適なUXの実現からアジャイルデータ活用による事業改善までを、圧倒的なスピードでデリバリーしています。この領域については、今後も更に注力していきます。

このように事業ドメインに大きな変化があったことで、プロジェクトベースで高度なスキルを保有した人材の採用も強化しています。また、社内のメンバーも事業の変化に適応するべく日々高いキャリアを目指して成長しているため、現在SUPER STUDIOではSaaSプロダクトの開発領域だけでなく、ビジネスサイドにおいても高度なスキルをもったメンバーの割合が増えています。

つまり事業戦略上、今後も今まで以上に高度なスキルを保有した人材が増え続けることが想定されるため、今回のタイミングで会社として「専門職」という新たなキャリアを人事評価制度で明確に定義しました。


3. 「専門職」の役割と期待

SUPER STUDIOでは、これまで人事評価制度に「専門職」の定義はなかったものの、「専門職」に該当する高度なスキルを持つメンバーはいましたし、社内でスペシャリストと呼ばれ、特に技術力や事業ドメインの知見が問われるエンジニアなど一部の職種には役職が付与されていました。

実際、「専門職」に該当する方々は多くのプロジェクトを牽引しており、その活躍を高く評価されています。

人事評価制度として、これまで「総合職」と「専門職」で明確にキャリアを分けていなかった理由としては、SUPER STUDIOがカルチャーを重視する会社であり、マネージャーであってもスペシャリストであってもメンバーとともにチームで仕事をするということに変わりはないと考えていたからです。スペシャリストだからといって個人で仕事をするというわけではありませんし、プロジェクトを進める上でマネジメントをしなくていいというわけではありません。そのため評価制度の実態として、「総合職」とあまり大差がないのではないかと考えていたからです。

前述の通り、事業戦略上高度なスキルを保有した人材が飛躍的に増えていくことを想定しているため、「専門職」に役割として何を期待しているのかをオフィシャルに定義する必要があり、このタイミングで制度として設けることにしました。

しかし、「専門職」としての役割や期待については、対象者はもちろん、社内でも定義がは人によって様々で、とにかく専門性が高く尖った印象という人もいれば、マネジメントや人材育成、採用にはコミットしなくていいなど、解釈が分かれていました。SUPER STUDIOでは、「専門職」の要件を以下のように整理しました。

・特定の分野において極めて高い専門性を保有する
・案件の難易度が高く、会社全体に影響を与えるような課題に対して自らの専門性で突破口を見出すことができる
・専門性を最大限に活かしながら、チームやプロジェクトを率いたり社内外のステークホルダーと協働できること

更に詳細な要件については、専門職のグレードごとに「CULTURE観点」「戦略立案・実行観点」「課題発見・解決観点」「採用・育成観点」で細かく定義されています。

「専門職」だからマネジメントの責任範囲から外れているということはなく、「総合職」が組織全体のマネジメントの責任を担うのに対し、「専門職」はその専門性を活かし、特定の領域で大きな価値を発揮する責任を担うという考え方です。

例えば、採用・育成の観点でも、専門性を持っているからこそ、その知見を活かして組織メンバー全員のスキルや知見が向上するよう教育の実行を担ったり、特定分野の人材獲得のための採用面接で正確なスキルの見極めを担ったり、属する組織の成果を最大化させるためにインパクトのある動きをとることが求められます。

こうして定めた要件に該当すること、かつ、その専門性を最大限発揮し、部署の成果創出に大きな貢献ができると会社が判断した方のみを、SUPER STUDIOでは「専門職」の対象としています。


4. 会社のフェーズに応じた役割の変化

企業の成長に伴い事業や組織のフェーズが変化する中で、メンバーの強みを最大限に活かしながら最適な役割を担ってもらうことは、組織全体の成果を最大化する上で極めて重要だと考えています。

僕は創業メンバー4名の時代からずっとSUPER STUDIOの成長を見てきていますが、人数が少なければ少ないほど、壁を一つ突破することが会社の成長にダイレクトに反映されます。300人を超えてもなおそれは変わらず、個々が各々の持ち場で最大限にスキルや能力を最大限に発揮することが、会社を大きく前進させるということに間違いはありません。

今回、人事評価制度上では「専門職」を新たに設け、「総合職」と分けた形を取りましたが、必ずしもいずれかの職であり続けることがベストということではありません。専門職であり続ける、あるいは総合職としてマネジメントをし続けるといったことではなく、両者を行き来するキャリア形成はあっていいと考えています。

成長フェーズによって、組織が直面する課題や求められる役割、スキル、専門性は変化します。たとえば、事業を次のステージに押し上げる時タイミングには、高度な専門性を持つメンバーがその知識や経験を活かして大きな成果を出すといったように、突破力が求められるシーンもあると思います。一方で、チームや組織全体を牽引するためには、俯瞰的な視点を持ち、組織の方向性を決めていけるマネージャーの存在も欠かせません。いずれの役割も重要であり、両輪で企業の成長を支えるものだと考えています。

会社のフェーズに応じて、もともと「総合職」でマネジメントをおこなっていたメンバーが「専門職」となったり、またその逆もありえると思います。

このように役割を変えていく場合には、メンバーとの十分な対話を通じて個々の強みと弱みを深く理解し、会社として最適な人員配置を行うことを重視しています。

SUPER STUDIOが「人の強みにフォーカスする」ということを基本の考え方としているからこそ、得意とする分野に注力することで、メンバー自身の成長はもちろん、組織としての成果も大きく向上すると考えています。


5. 「専門職」のキャリア

前述の通り、SUPER STUDIOでは人事評価制度に「専門職」の定義はなかったものの、「専門職」に該当する高度なスキルを持つメンバーは今までもいましたし、その活躍を高く評価されているメンバーもたくさんいます。

メンバーのキャリア形成を考えた時に、マネージャーという役職は一般的に馴染みがあるためわかりやすく、社内でも「◯◯マネージャーを目指します!」という話が出やすいです。また、マネージャーとして求められるマネジメントの定義も社内で言語化されているなど、キャリアの方向性としてわかりやすさがあります。

それに比べてスペシャリストについては、一部の職種以外は役職がなく、人事評価制度にも記載がなかったため、キャリアとして目指しづらい状態でした。キャリア選択におけるわかりやすさという意味でも、今回の「専門職」の設置はメンバーのキャリア選択において意義のあるものだと考えています。

今回定義した「専門職」では、スペシャリストとしてイメージされやすいエンジニアなど一部の職種にのみ適用されるものではなく、全職種で「専門職」を目指せるように設計しています。

また、「専門職」も「総合職」と同様に、役職が付与されることになります。これには「専門職」が社内で幅広く認知され、専門性を発揮する機会が最大化されるようにするという狙いがあります。

個人的にはこの記事を書いていて、もう少し早く定義すべきだったと反省しています。

SUPER STUDIOの社内には、高度なスキルを保有している「専門職」メンバーは多数おりますので、またその紹介も別途できればと思っています。

6. さいごに(仲間の募集)

SUPER STUDIOでは前述の通り、コマースDXを実現する統合コマースプラットフォーム「ecforce」として、コマースソリューションとデータソリューション領域のSaaS提供に加え、エンタープライズ企業のコマース事業の課題に対してプロジェクトベースで並走し、アジャイルに事業改善を行っていくコンサルティングサービスも強化しています。

事業フェーズの変化に伴い、人材採用も絶賛強化中です。

SUPER STUDIOには、ロールモデルとなるメンバーが必ずいると思います。

詳細は以下に記載しています。カジュアル面談も行っていますので、ご興味のある方はぜひご応募ください。よろしくお願いします!

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