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僕がメンズコスメのブランドを立ち上げようと思った理由

先日D2Cブランドのオーナーが集まるオフ会に参加させていただきました。

お互い初めましてなこともあり、自己紹介と一緒にブランドの紹介もするのですが、それぞれが互いのブランドに興味を持ち、ついつい熱く語ってしまうのはならではといったところです。

私にとってはそうやってブランドにかける情熱を熱く語りながら議論する瞬間はとても幸せな時間で、自分もそうであるように、立ち上げまでの背景やこれからどうしていきたいなどの話を聞いていると、どんどん引き込まれていき、「フレーフレー」と応援する気持ちが自然と湧いてきます。

リアルで聞くブランドオーナーの話はやっぱり響くなー

と、思った反面、D2Cブランドとしてオンラインを主戦場として戦っていく我々は、必ずしもリアルで僕らオーナーの熱量を届けるといった機会があるわけではありません。

むしろ、直接会って聞くほどに感じる熱い想いを、その熱量を保ったままにいかにオンラインで人々に伝えていくか、これこそ大事な観点なのではないかと思います。

「会って話を聞いてくれさえすれば...」というタラレバを言っているのではなく、

・最初のタッチポイントがどんな場所、手段であろうと、僕らブランドオーナーの想いを100%届けることができて
・それを適切な人に、広く届けることができる

仕組みを構築するべきではないだろうか。

とうことで、皆さんにIYVOというブランドについて知り、理解してもらう場として、まずはnoteを選びました。

私がなぜ、メンズオーガニックコスメのブランドを立ち上げることになったのか、こちらの記事にてお話ししたいと思います。

前の事業の反省

そもそも僕は19年の2月まで、チームを編成してアプリ開発を行っていました。
検索単位を「お店」ではなく「料理」にして、料理からお店を検索できるグルメレビューサイトです。

1年近く開発を続け、β版のリリースにこぎつけるも、残念ながら事業を継続することを断念いたしました。

理由①:厳しいマネタイズ

グルメアプリは無料で使えることが当たり前になっていて、ユーザーから課金してもらうためには、おカネを払ってでも使いたいサービス/欲しい情報があるものにしなければならず、そこに至るまでにはあまりにも道のりが長すぎます。
よって最初は広告収入を見込んでローンチをさせましたが、ユーザーの伸びが鈍く、プロダクトの改善にも時間を要することから、このままでは広告収入を得る前に資金が尽きるという状態に陥りました。

エンジニアが満足して開発できる環境を整えるためにも、資金調達という経営者の仕事を全うできなかったことは本当に悔しくてなりません。エンジニアの皆には申し訳なかったと思っています。

サービスの利用者を喜ばせるどころか、社内のチームのみんなさえも苦しい思いをさせてしまった。

自分に資金をかき集める能力がないのなら、自己資金で事業を回せるビジネスモデルを構築しなければならない。

ということで、アプリ開発を断念。

理由②:チームに依存してしまった

私はエンジニアではないため、自分でコードを書くことができません。よってサービスの進捗はエンジニアの開発の作業に依存していました。
チームはそれぞれが副業で手伝ってくれていたので無理なお願いはできず、かといってフルコミットをお願いできるだけの資金の余裕はありませんでした。
後々気づいてショックを受けた出来事は、僕らが開発をしている1年間で、先に類似のアイディアで仮説検証し、サービスを正式リリースしてしまったスタートアップがあったということです。
しかも彼らは結果的にサービスを閉じてしまっていたのです。

自分たちが半年後か1年後にたどり着いていたであろう未来にわずか1年もかからないうちにたどり着いていたこと。
仮にサービスがうまくいかず閉じる結果になっていたとしても、自分たちでその答えを見つけたかった...。

そんな悔しさを感じながらそのニュースを読んでいました。

何とか自力でも進められるサービスを作らねば。
人に頼るならお金を、お金がないなら自分でやる。

今の会社の状況を考えたら自分ひとりで進めていく他ありませんでした。

そしてひとりになる

アプリ開発を断念した後、チームは解散し、一人で次なる事業計画を考えていました。

そのとき、かつてベンチャーキャピタルが主催する勉強会にて、シリコンバレーにおける起業のトレンドとしてD2Cの流行を解説していたのを思い出しました(正確にはずっと頭の片隅にしまってあった)。

思えば、モノづくりの会社で働きたいと新卒で入った会社では人事を担当し、直接お客さんの声を聞ける場所から遠い存在でした。

もっとお客さんに近い場所でビジネスがしたい。
D2Cのビジネスモデルは、そうしたかつての思い、そして前の事業の反省を生かせるのではと思いました。

自分のブランドを持ち、ブランドに込めた想いを商品と共にユーザーに届け、その声を最も近い場所で聞くことができる。

当時ようやく日本にもその流れがやってきて、ブランドが増え始めているときでした。

他に先んじてこの市場に乗り込んでやる!

そう思い、事業の方向性が定まったのは19年の3月のことでした。

商材選びがすべてのカギ

ではどの商材で戦うか。様々なアイテムを検討した中、最終的に候補として残ったのが化粧品でした。

最初は女性用化粧品を作ろうと動き始めました。全くの業界未経験だったので、生産に掛かる費用や納品までの時間、資材の調達等、商談会に足を運びながら少しづつ学んでいきました。

しかしやっぱりネックになるのが資金。
これまで自己資金でやってきましたが、さすがに無理だと思い補助金・助成金関係の情報を収集するため区役所に足を運びました。そしてそれが後々今のブランドのコンセプトを決定づける転機となったのです。

偶然の出会い

自分が相談員とやり取りをしている隣のブースから「化粧水」というワードが聞こえてきました。どうやら隣で相談している方も化粧品事業者のようです。

当時自分の周りに化粧品業界に精通している知り合いなどおらず、相談できる人も話を聞ける人もおりませんでした。
それ故願ってもなかったチャンス、この後予定があるのも関係なしに彼女が終わるまで出待ちをしていました。

突然声をかけられ驚いた様子でしたが、事情を説明し、お話をさせてくださいと、その場で直談判。なんと次回会う約束まで取り付けたのです。

次の予定で急いでいたこともあり、立ち去ってもよかった。でもこのチャンスは逃してはならないと直感的に思いました。
今思えば正しい選択でした。というのもその方が本当に素晴らしい方だったから。
突然現れたどこの誰とも知れない男性に、自社の商品のサンプルと、「参考にしてみて。次会うときに返してくれればいいから。」と、関連書籍まで貸してくださったのです。

自分の運の良さと、彼女の親切心にどれだけ救われたことか。
起業家とは孤立無援で頑張っていらっしゃる方も多いと思います。
チームを解散してひとり孤軍奮闘している状態にあった私には奇跡ともいえる出会いでした。

オーガニックの魅力

今の「安心安全を追求するメンズオーガニックコスメブランド」というコンセプトに行きついたのは、彼女のエピソードに深く共感したことがきっかけでした。

その女性は、元々肌が弱くアレルギー体質だったにもかかわらず、化粧品が好きで、知識もないままにいろんな商品を試していました。しかしそれが祟って肌トラブルを頻繁に起こし、皮膚疾患を抱えるまでになってしまったというのです。

自分のような体験をこれ以上他の人にしてほしくない。自分もそういった肌の弱い人にむけた化粧品を作りたい。

そこから現在の化粧品事業に至ったということでした。

自身の体験から紡ぎ出される彼女の言葉には、私をその世界へと導くには十分すぎるほどのパワーがありました。

世の中化粧品ブランドは無数に存在しますが、その中でも彼女のような、肌トラブルに困っている女性にとってのオアシスとなれるブランドを作りたい。
自然の力を最大限に生かすことは、結果的に我々ブランド側と購入者、そして、社会の三方良しの関係を築くことができる。

そう考え、私も彼女と同じくオーガニックのコスメブランドを立ち上げようと決心しました。

Why you?

少しここで話が逸れますが、起業しても最初の事業がうまくいかずピボットすることは、スタートアップにおいてはあるある話です。そんなとき、事業アイディアを探すのと同じくらい「why you(なぜあなたがそれをやるのか)?」を見出すのに苦心します。いわゆる原体験ですね。
ただ、案外事業のきっかけというのはあらゆるところに存在しているもので、それらきっかけとの出会いも十分に自分がやる理由になりうると考えています。

確かに僕は当事者ではありません。化粧品の使用によるトラブルや副作用を経験したことはありませんが、当事者ではないからといって「why you(なぜあなたがそれをやるのか)?」に対する答えとして相応しくない、ということはないと考えています。

当事者じゃなくたっていい。大事なのは覚悟です。

D2Cブランドをこれから立ち上げようとされる方、覚悟をもって突き進めば、どんな些細なきっかけがスタートでもその姿勢は人々の心に届きます。
原体験という言葉に縛られず、日々の出会いから舞い降りてくるさまざまなヒントをカタチにしていきましょう。

ジブンゴト化

なので最初は女性用ブランドを立ち上げるべくスタートしました。
しかし、事業を組み立てていくうえで、女性特有の悩みであったり感覚であったりといったものをなかなかジブンゴト化できず悩んでいました。
経験としては共感できても、頭で理解できず商品の企画に女性の視点というものをうまく取り入れることができなかった。

そんな状況やモヤモヤして遅々としていた事業の進捗について、男性の知人に相談したところ、「事業への思いは十分伝わってくるけどねー」と言ってくれました。
で、その時知ったのですが、そんな彼自身スキンケアをしていて、周りで話を聞いていた他の知り合いもスキンケアをしていたのです。

付き合いは長かったのですが、今まで知らずその時初めて知って驚きましたwww
なるほど、男性は使わないのではなく話さないのか。
自分以外の人がメンズコスメを使っているか、気にしないし、何なら聞かれない限り隠していたいという人もいるんじゃないだろうか。殊更友達同士の間で話題にするようなものでもないので、こうして聞いて初めてお互いのスキンケア事情を知る。

男性化粧品の市場が広がっているということは知っていましたが、こうして身近に感じたことは無かったのはそのせいもあったように思っています。

メンズ×オーガニックコスメ

調べてみると、多くのメンズコスメブランドが「男性らしさ」を強調し、オーガニックのジャンルを追求するものがあまりありませんでした。

これは後から分かったことなのですが、ユーザーヒアリングを行っていると、想像していた以上に肌が弱い方が多かった。

だから
・オーガニックという言葉によって想起されるイメージをデザインの力で洗練させつつも、
・男性の荒々しさ、またそこから感じる成分が強そうというイメージを打ち消すことで、
・肌が弱い男性も安心して使えるメンズブランドを届けていこう。

そうして生まれたのがIYVOでした。

自分自身、かつて肌荒れに悩まされ試行錯誤していた経験から、IYVOでは自分と同じ悩みを抱えている人にも使ってもらえるような商品を企画しています。

ようやくスタートライン

コロナ禍においてECの売上が伸びているという話をよく聞きますが、僕らはまだまだその気配はありません笑

まずはInstagramでコツコツ発信していきます。

安心安全で、肌に優しい化粧品を目指し、たどり着いたオーガニックという答えが、ユーザーの
「自分に合う商品がこれまで見つからなかったのだけど、ようやく見つけることができた」
という声につながることを信じて、この先も事業の拡大を目指して頑張っていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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https://twitter.com/YasuhiroWilliam

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