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「結」ーphase 1~10ー

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”むしょく“のおっさんが絵描きになるまでの物語。 仕事もせずにプラプラ遊び歩く私がひょんな事から「絵を描く仕事」を依頼されて描き上げるまでを下らない文体で書いています。
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2022年1月の記事一覧

「結」ー PROROGUE ー Uzumakism

「結」ー PROROGUE ー Uzumakism

神戸の靴の街「長田」にあるDINING BAR「MUSUBINA KITCHEN」へ2021年のクリスマスに提供した作品「結」の制作過程を少しずつ投稿しようと思う。
“むしょく”として初めての“納品”となった作品だ。

トップ画は“無色”だが納品時は着色済みだ。色が付いて行く過程を是非見て欲しい。ただし、「未完成」でのお渡しとなっている。詳細は後々述べる事としよう。

まずは、作品制作に至った経緯

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「結」 ー Phase 1 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 1 ー Uzumakism

吾輩は描である。名前はまだない。
どこで生まれたか頓と見当がつかぬ。
人生、じゃない。猫生に少し嫌気が差している猫である。飼い猫なら幸せだったかも知れない。
何もない山から街へ降りて来たけど、誰も拾ってくれそうもない。
何ヶ月も続く土砂降りの雨の中、野良猫をするのも辛いなと思いながら路地裏の一角に雨宿りの為の軒を見つけて眠りに落ちた。
夢の中に現れた女神さまが吾輩に優しく声を掛ける。
「猫をしてい

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「結」 ー Phase 2 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 2 ー Uzumakism

人生の海には波がある。荒波で時化ている日があれば、波のない穏やかな凪の日もある。時と共に海の様子は変化する。シケた面では辛い旅になるから凪を待つ。長い航海に出て後悔しないためにも出航日は凪を狙う。そうだ、あの港の名前は“ナギ”にしよう。

▼前回をお読みでない方はこちら

いつものガールズ・バーでいつもの姉ちゃんにいつもの様に閉店まで相手して貰う。私はこの娘を“幸運の女神”と憚らずに呼んでいる。“

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「結」 ー Phase 3 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 3 ー Uzumakism

ナギと名付けた港を出て、大陸を目指して航海に出た。とても穏やかな波の上を滑るように船は進んで行く。帆を大きく張り、風を統べる神さま頼りで航海を続ける。出港した事を後悔しそうなくらいに冬の夜風が一番冷たくなる頃、綺麗な海に辿り付いた。ここは、ななつの海の一つ、静かな海。
美しい海なので「美海」と名付けよう。だけどこの海は時々荒れる。しっかりと舵を握らないと船員の命が全部持っていかれるのだ。

▼前回

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「結」 ー Phase 4 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 4 ー Uzumakism

突然の嵐が襲って来た。静かだったセイレーンが竪琴を奏で、歌を唄い始めたのだ。
ななつの歌声がそこら中に響き渡る。
美海が真っ黒の波を次から次に生み出して、我々一向に襲い掛かる。私たちはこの海で藻屑となってしまうのだろうか…。
船員は甲板上を右往左往して、それぞれの役目を果たそうと必死になった。
少し遠くに光が見える。雲から太陽が放つ光が天国へ導く階段のようだ。
まだ、死ねない。人間ににゃったばかり

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