世界各国の食を巡る:南インドのスペシャル料理
久しぶりに「これは是非とも食べておきたい」と思うものがあり、神奈川県は相模原の方へ。クリスマスだからという名目でのスペシャル料理が週末限定で登場した、エローラパレスへ行ってみた。
かなり以前に何回か来たことがあるお店だったけれど、以前は名前が違ったような。経営者が変わったのか、それとも心機一転の再出発だったのかは定かではないけれど、とりあえず前と変わらない佇まいの店内は、合計で10席ほどという小さめのハコ。一応予約をしていって、そうでないと入れなかったみたいなのでこれは正解。
席につくとバナナリーフを敷いてくれて、そこにいろいろな料理が次々と並べられていく。よそられるそばから食べていってもマナー違反ではないみたいだけれども、やっぱり全部並ぶまで待ってみたいのでじっと待つ。色とりどり、香りもとりどり。次は何が来るんだろう、というワクワク感もあって楽しい。
というわけで全部並んだ全景。さすがに壮観。
ではいただきます。
バナナリーフの上段に並んだ4種類の料理はすべてベジで、それぞれ違った味わいになっていて個性的。ひとつだけ食べても、混ぜて食べてもそれぞれ違った風味が出てきて美味しい。
チェンブ・クンバランガ・カーラン(里芋と冬瓜のヨーグルトグレイヴィ)
包み込むような優しい味わいの中に少しだけ鋭利な辛さ。里芋の粘り気でもったり。これはインド料理では初めての食感。
ミックス・ベジ・クートゥ(数種の野菜と豆の煮込み)
意外とスパイシーで刺激的な仕上がりのクートゥ。カレーリーフの香りがしっかりと乗っていていかにも南インド的な雰囲気。
ヴァンパヤル・メルクプラティ(ササゲ豆のスパイス炒め)
辛さ際立つコリコリのササゲ豆。
ビートルート・レイズンズ・アチャール(ビーツと干し葡萄の漬物)
しっかりとした酸味にレーズンの甘さがあわさった、アチャールとしてはちょっと異色な味わい。他のベジと混ぜると不思議な美味しさが現れてくる。
エッグ・サモサは揚げたてでパリッと。中は卵の他にもいろいろな具材が詰まっていて、食感が楽しい。
チキン・タッカリ・ラッサム。旨味強めでそこまで辛くなくて、いい塩梅の酸っぱ辛さ。なんかこれだけでも御椀いっぱい飲めてしまいそう。
シェフズ・スペシャル・グリーンアップル・カリー。その名の通り青りんごのカレー。これも名前から想像がつかない味だったけれど、マイルドなヨーグルトベース? と火の通ったりんごのシャキさっぱり感がクセになりそう。こういうのもアリなんだなあ。
これらの料理を受け止めるのが、インドの赤米マッタ・チョール。これがまたプリップリの食感で、バスマティのパラパラともまた違った食感。香りが控えめな分、他の料理の邪魔をしないところが良い。あと、味が結構しっかり感じられる気がする。
さて、今回のメインというかいちばん異色だと思ったのが、このカッパ・ビリヤニ(チキン)。ビリヤニというと普通は肉&米で作るところを、肉&キャッサバ芋で作られるという変わり種。
鶏肉とキャッサバ芋のどちらともから旨味が出ているからか、とにかく濃厚な旨味が味わえるビリヤニ。フライドオニオンの風味もあってなのかな。塩味とか辛さとかそういうのは強くなくて、ひたすら旨さが追いかけてくる、リッチな味。ビリヤニということはこれだけで食べるものなのかもしれないけれど、これとライスを合わせたものもまたさらに美味しそう……とか思ってしまった。
こんなインド料理もあるんだなあ。
あとはもう、とにかく色々と混ぜて、2種類、3種類、4種類と組み合わせて様々な味を作って楽しむ。いろいろな料理がこれだけ並ぶ料理は自分では作れないし、そもそもが全然知らない味ばかりで、好奇心と味覚が刺激されっぱなし。
ひたすら食べるのに夢中になれた時間だった。
最後にチャイをいただいて〆
これは良い経験と時間をいただけた。
スペシャルと呼ぶにふさわしい料理の数々。
ごちそうさまでした。