Hiro Oaks / 日々の雑感

日々の雑感の記録。食と健康とお酒に関することが中心。

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最近の記事

『ジャパニーズウイスキー入門/稲垣貴彦』 読了

日本のウイスキーの、これまでとこれからが見通せる一冊。 著者の稲垣さんは、北陸の富山にある若鶴酒造「三郎丸蒸留所」の経営者兼ブレンダーを努めていらっしゃる方。副題に「現場から見た熱狂の舞台裏」とあるように、昨今のウイスキーブームを実際に現場で体感していらっしゃった方が語るという、まさにリアルの体験をもとにして書かれている一冊。 この本、タイトルだけで考えると「初心者向けの内容で、いつもの簡単な製造工程や歴史のさわりから入って、あとはテイスティング紹介的なやつね」となってし

    • [旅行記]美の宝庫だった倉敷

      岡山で、前日の予約ではここしか空いていなかった宿は、とりあえず寝られれば十分という最低限をギリギリ満たせなくもない程度だった。やや寝不足を感じつつも早々に後にして、朝早くから倉敷へ向かう。 とはいえ倉敷について、なんか町並みがきれいらしい、ということ以外に前情報を全く持っていない。ふらりと見て終わりかな、と思ったところにポスターを見かける。 あれ、大原美術館ってここにあったの? なぜか名前だけは知っていた。自分でも知っているくらいなのでかなり有名な気がする。しかもどうや

      • [旅行記]小豆島ではフレンチを

        小豆島でのお昼どき、さて何を食べようかと。 もともとはオリーブそうめんが気になっていたのだけど、どうも無難といえば無難すぎて。他に選択肢はあるかな、と思って調べてみる。いくつかの候補のあとに、少し気になるお店が。フレンチ? どうやらかなり長いことやっているお店らしいのだけど。 ちょっと気になる。これは行ってみようか。 市役所がある町の中心から少し歩いたところにあるらしい。行ってみると、周りは普通に住宅地。食事処なんてあるのかな? と思ったけど、大きめの看板が出ていてここ

        • [旅行記]豊かな香りに包まれる小豆島

          小豆島には、前々から行ってみたいと思っていた。 日本でほぼ唯一といえるオリーブの安定栽培に成功しているところとか、醤油蔵が多くて最近も木桶の復活とか力を入れているところとか。離島というのは独特の文化ができやすいように思えるけれど、その中でも特に食文化が独特で豊かに見える。 それに、自転車で走るにちょうど良さそうなサイズ。沿岸部をぐるりとまわれば、ルートによって80km~120kmほどの気持ちよさそうなライドが、中心部に行けば山のルートも楽しめる、という自転車乗りにはたまら

        『ジャパニーズウイスキー入門/稲垣貴彦』 読了

          [旅行記]夜の神戸をそぞろ歩き

          和歌山から戻ってきて、大阪に泊まるのでも良いのだけれど、せっかくなので違う場所に泊まってみようと。幸い、旅の直前でも三ノ宮の近くで良い宿が取れた。 そもそも大阪にあまり立ち寄ることがなくて、神戸もその延長で今まで立ち寄ったことがなかった。西に向かうときに目的地となるのはもっと西の、四国だったり山口だったり山陰の方だったり。大阪~岡山あたりって、どうしても通り過ぎる場所ということになってしまっていた。 というわけで初めての神戸。しかも夜の町を少しだけ、という本当にさわりだけ

          [旅行記]夜の神戸をそぞろ歩き

          [旅行記]梅酒づくりの酒蔵

          金山寺味噌のふるさとである湯浅をあとにして、そこから大阪の方に戻る途中。 和歌山には、もうひとつ寄りたいところがあった。 中野BCという酒蔵は、湯浅と和歌山市の間の海南駅を降りたところにある。 酒蔵なのだけれど、会社名のBCは Biochemical Creation の略で、発酵技術をベースとした研究によっていろいろな商品を展開している。 日本酒銘柄としては「紀伊国屋 文左衛門」が有名なのと、日本酒よりもどちらかというと梅酒が有名な気がする。梅酒というとチョーヤが有名

          [旅行記]梅酒づくりの酒蔵

          [旅行記]金山寺味噌のふるさと

          途中下車の範囲からは外れるけれど、大阪から南に向かって和歌山の方へ。 和歌山県は、伊勢のほうから熊野三山まで訪れたことはあったけれど、それくらいしかない。遠い場所、という印象がずっとつきまとっていて、なかなか足を伸ばそうという気分になりにくい。 大阪から和歌山へ向かう阪和線に乗る。学生さんが多い。しかも、隣町の高校へという程度ではなくかなり長い間乗っている。毎日の通学だけで既に大変そう。 そんな学生さんたちも、和歌山市までで大半が降りていった。目的地は更にその先。湯浅と

          [旅行記]金山寺味噌のふるさと

          [旅行記]宇治の散策と京に咲く梅

          京都は何度も来ているけれど、宇治は初めてだった。 宇治というと、お茶と源氏物語、というイメージがある。 お茶は、中国にわたった栄西禅師が日本に持ち帰ってきて、そこから明恵上人が宇治で生育方法を確立していったことで広まったという話。なので、宇治は日本のお茶のルーツがある場所、というイメージ。今でも宇治といえば抹茶、そして緑茶。ペットボトルのお茶でもいろいろな老舗系の銘柄があるけれど、その老舗があるのが京都の中でも宇治だったはず。 あとは源氏物語の後半あたりでは主要舞台だっ

          [旅行記]宇治の散策と京に咲く梅

          [旅行記]広島への旅から戻ってきて

          旅から戻ってきた。 広島に目的地を定めて、途中下車しながらの旅。 京都では、今まで行けていなかった宇治で源氏物語とお茶。 大阪から脇道に逸れて、和歌山市の金山寺味噌と梅酒づくりの酒蔵。 ほんの少しだけど立ち寄った神戸は、これも降り立って街を巡るのは初だった。 岡山からはフェリーで小豆島へ。本当は自転車を持って来たかったけど、少しだけでも、とレンタサイクルで走り抜ける。 倉敷も初めてで全然前知識がなかったけど、それが逆に良かったのか、良い意味で予想外に、それもとんでもなく

          [旅行記]広島への旅から戻ってきて

          『科学的エビデンスにもとづく 100歳まで健康に生きるための25のメソッド / ルイージ・フォンタナ』 読了

          これまでの研究を総括するバイブルのような一冊。 noteのどこかの記事でちらりと見かけて、ちょっと興味が出たので読んでみたこの本。 著者はシドニー大学医学・健康栄養学部教授という方。これまでの数十年にわたる自身の研究やその他様々な論文を基にして、ここのまとめられている25のメソッドに落とし込んだ、ある意味渾身の一冊なのではないか、というもの。 どんなことが書いてあるかは、目次を見ればだいたい分かるので詳細は割愛。とりあえず著者の主張をざっくりまとめると、 野菜を中心に

          『科学的エビデンスにもとづく 100歳まで健康に生きるための25のメソッド / ルイージ・フォンタナ』 読了

          和製アマーロ 養命酒

          養命酒を買ってみた。 なんとなく以前から気にはなっていたのだけど、直接的にはベジフル大百科 The Crops というPodcastを最近聴いていて、その中の 薬草・生薬のエピソード がきっかけ。 もともとお酒についてはいろいろと興味があったし、最近は薬草酒まわりが特に気になっていた。少し前には「酒が薬で、薬が酒で」なども読んでいてさらに興味が高まっていたところ。 最近は「漢方とか生薬ってやっぱりすごいんだな」と思うこともしばしばで、そこにきてPodcastで生薬のアレ

          和製アマーロ 養命酒

          『コロナ禍と出会い直す / 磯野真穂』 読了

          コロナ禍は私たちに何を見せたのか。 文化人類学、医療人類学者である磯野真穂さんの、今年2024年の著書。何度か手に取った過去の著書が個人的にヒット連発だったので、この本もその流れで読んでみることに。 コロナ禍って、本当にあったんだっけ? というくらいになんだか世間的に忘れられてきているような気がしていた。いや、実際問題として今も感染は増えたり減ったりを繰り返していて、いつ自分が罹るか分からないことでは何も変わりないのだけど、そのはずなのだけど、どうしてこうも世界が違って見

          『コロナ禍と出会い直す / 磯野真穂』 読了

          『「食べる」が変わる 「食べる」を変える/ビー・ウィルソン』 読了

          わたしたちの食生活は、周辺環境に規定されている。 タイトルで興味が惹かれたこの本。表紙を見たときになんとなく似ているな、と思ったら以前読んだことがあった『人はこうして「食べる」を学ぶ』と同じ著者だった。 前著も面白かったのだけど、今回のも読み始めたらとても興味深く、どんどん読みたくなってしまった。最近の食関連の本の中ではトップクラスに面白かった。 序章のタイトル「食物に追い詰められる現代人」で表しているように、この本では現代の食生活が人々をどれだけ不健康にしているか、と

          『「食べる」が変わる 「食べる」を変える/ビー・ウィルソン』 読了

          都内豆大福めぐり

          先日のおはぎの影響か、和菓子になんとなく興味が出ているからか、前々から気になっていたお店をいろいろ巡ってみようかと思い立つ。 決めた。今日は豆大福を食べ比べてみよう。 まず向かったのは、魚籃坂の近くにある「松島屋」。 こちらのお店、ときどきPodcastを聴いていたりと度々ここでも書いている平野紗季子さんが紹介していたので気になっていた。都内の豆大福の中でもかなりの人気店だとか。午前中には売り切れる、という話だったので、開店直後を狙うしかない、と。 到着したときには前

          都内豆大福めぐり

          伊勢佐木町の町中華 「中国料理 玉泉亭」

          友人と話していたら、横浜の伊勢佐木町に行こうと。 そうえいば、伊勢佐木町ってあまり行こうと思って行ったことがない。関内駅のすぐ近くあたりなら、何度か目的を持って行ったことがあるのだけれど、伊勢崎モールの奥の方、地下鉄の長者町駅があるさらに東の方にはほとんど行ったことがない。 ぶらぶらと歩いて昼飯としてどこかに入ろうといういうことで行ってみる。東京とは違って、だいぶまばらな人混み。正直、これくらいで十分というか、これ以上だと「混んでる」って感じになって心の負担が大きくなるの

          伊勢佐木町の町中華 「中国料理 玉泉亭」

          ようやく涼しさを感じた日の、おはぎ

          暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものだと思う。まだまだ気温は高いとは思うけれど、彼岸の中日を過ぎたら空気は一気に秋めいて涼しくなった。 そんなお彼岸には、やはりおはぎが食べたくなる。 春のお彼岸には沖田精米でぼた餅を購入した。秋もそちらにしようかと思っていたのだけど、noteでフォローしている方の記事を見ていたら、ちょっと気になってきたお店があって、今回はそちらに。 というわけでやってきたのは、鶴見にある「こめ蔵」。ここもおはぎで有名なお店らしく、開店10分後くらいに

          ようやく涼しさを感じた日の、おはぎ